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44話:癌宣告と有明病院へ入院

 先生が来て、残念ながら、すい臓がんが、発見されました。このがんは、悪性で、転移も早い。今の所、転移してなさそうですが、予後不良と言われた。とりあえず、抗がん剤の治療で、がんの勢いを止めてから、手術するしかないと思われますと告げた。


 そのため万が一のために覚悟が必要です。そして、今年いっぱいは、退院できないでしょうと言われた。また、病状が急変することも覚悟する事を理解してください。下村さんには、子供さんがおられず、奥様は、数年前に亡くなったと聞いたと言った。


 それで、間違いないですねと聞かれ、相違ありませんと告げた。それでは、病気の説明を理解したと言う事と緊急時の手術の同意書したと、ここにサインしてくださいと言われた。そこに、友人代表、宮入晋平と書き込んで、ハンコを押した。


 これで結構ですと、事務の女性が言った。17時過ぎに、担当の先生が来られますので、少し、ここで、お待ちくださいと言われ、10分後、50歳代とみられる男性医師が来て、主治医の相沢ですと自己紹介した。


 この度は、大変なことでと言い、すぐ本論の病状について話し始めた。本人からの話では、数年前から、たまに消化不良起こすので消化酵素剤と下痢止めを飲んでいたようです。これで、病気の発見が遅れたものとみられますと話した。


 がんは、かなり進行して抗がん剤で、病気の進行を止めて落ち着いてからでないと手術できない状況で放射線療法も開始しました。予定では、来春までに、がんの進行を止め、3、4月、すい臓の全摘出術をしようと考えていますと語った。


 この話を宮入は、冷静に聞いていたが、隣の泉堂さんが、じれったくなり、治る確率はと突然、聞いた。それに対して、正確な事は、言えないと告げた。なぜならば、本人のがんに対する抵抗性が、分からないからと言い、がん抵抗性の強弱で治癒率は、大きく変わると言った。


 現在の放射線治療と薬物治療で、彼のがんに対する抵抗性が分かるのは、いつと聞くと早くて1月、2月までには判明するでしょうと言った。抵抗性が弱いとわかったらと質問すると、最悪の場合は、手術できませんと話した。という事は手の打ちようがないのですねと聞いた。


 その通りですと言うと、泉堂さんが、それは、あんまりだわ日本一のこの病院でも助けられないのと聞き返すと、現在の医学では、難しいと答えた。それを聞き、泉堂さんが、ふらつき、看護婦さんが、彼女を部屋から出してベッドに寝かせた。


「その時、泣き出し、ひどいわ、あんまりだわと言う声が聞こえた」

「看護婦さんが、冷静に鎮静剤を用意してと言う声が、聞こえた」

「宮入が、手術できない時、緩和ケアする場合、どの位、もちそうですかと聞くと3か月、良くて半年と静かに答えた」


 わかりましたと言い、もちろん、患者さんに、手術の選択の自由は、あるのですねと聞くと、もちろんありますと、話した。わかりました。これで、説明は終わりですが、よろしいですかと聞くので、結構ですと宮入が答えて、それでは、失礼しますと相沢先生が部屋を去った。


 看護婦さんに、今日、下村に面会できますかと聞くと短時間でしたら大丈夫ですよと言われた。さっきの女性も面会できますかと聞くと看護婦さんが、面会されない方が良いと思いますよと言った。患者さんにとっても彼女にとっても良いとは思えませんと言い切った。


 わかりました。私だけ面会していきますので、いつまで待つかと聞くと今なら夕食前ですから10分で、お願いしますと言われ、連れて行ってもらえますかと言うと了解しましたと答えた。エレベーターで上がり病室に入り宮入が下村に会うと、よう来たかと笑顔になった。


 先生から状況は聞いた。できるだけの事は、してやると言うと、お前ってやつは、ほんとに優しい奴だなと目頭を押さえた。宮入が、手術して苦しいでも頑張って生き抜きたいかと直接、質問すると、首を振って、そんなに無理したくないよ薄笑いを浮かべた。

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