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25話:吉沢さんの家探しと下村の奥さんの死

 翌10日、9時半、吉沢さんから電話が入りホテルで待ち合わせた。その後、徒歩で八王子駅近くの不動産屋に入り、駅から10分以内のマンションの情報を調べてもらうと4軒、該当する物件があるというので、不動産屋と一緒に、車で、案内してもらった。


 その物件を見ると2件が、候補となり1軒は、国道沿いで騒音がありそうでやめた。もう一つは、繁華街の一角で、そちらの方が、良さそうと、吉沢さんが言い、そこに決めた。このDSマンションは、1LDKで34平米。


 築15年で12階建ての3階の部屋で、家賃が89000円と管理費6000円の計95000円だった。JR八王子駅まで、徒歩5分、京王八王子駅まで徒歩8分と書いてあった。確かに便利な場所である。


 その後、賃貸の契約書にハンコをついて2014年12月1日から入居する契約をかわした。これで13時前、全て終了して近くのレストランで昼食を食べて楽しみだわと吉沢さんが喜んでいた。その話を聞き、でも自分のことは自分でやれよと宮入が告げた。


 わかっているわよと、あんまり迷惑かけないからと言った。しかし、その言いつけは、すぐに破られた。というのは、12月1日、午後、13時過ぎ、吉沢さんから電話が入りホームセンターにつき合ってくれないと言う電話が入った。


 仕方なく、車で迎えに行き、ホームセンターに出かけた。吉沢さんが、冬が暖かいのが一番、良いと感じてるらしい。このマンションでは、インターネットも使える様になっていて、好き音楽が聞けると喜んだ。


 太陽が上がり10時過ぎると晴れてる日は、暖房いらずでだと言った。宮入は、自分のホームセンターの駐車場に車を置き、必要な商品を買い込み、店の軽トラックで彼女のマンションに購入した品物を搬入した。


 買ってきた品物を設置し、軽トラを返し、自分の車に交換し家の着いたのが17時。そして、しばらくして2015年があけた。そして2月3日、下村から電話が入って、女房がなくなったと連絡してきた。


 事情を聞くと2月3日、夕方、用事で辰野のスーパーに買い物に行き帰ってくる時、車にはねられたと言った。道路の一部が、凍っていて大型車が、滑ってかなりのスピードでぶつかった様だ。救急車で運ばれたが間に合わなかったようで、下村は、冷静さを失っていた。


 そして、こんな寒い所に、いたくないと言い始めた。貯めた金があるから辰野を出て、東京のマンションに住みたいと言いだした。これに対して、お前もかと言い、勘弁してくれよと言うとマンション探しも自分でやるから迷惑かけないと言った。


 できたら葬儀に参列してくれないかなと言われ、もちろん参列するよと約束して電話を切った。2日後、2月8日、辰野の公民館で10時半から葬儀をすると電話が入り詳細はメールで送ると言い届いた。


 宮入は、7時過ぎに家を出て7時半発のあずさ1号に取った。上諏訪で飯田線に乗り換えて辰野に10時前に到着。タクシーで下村の家に向かった。下村に会い哀悼の意をを表した。その後、下村の車で公民館に行き、葬儀が始まった。


 さすがに、下村は、町の顔役で、50人以上の町民が来ていた。今晩、泊まって行けよと言われ帰るとは言えず了解した。そして14時には葬儀が終わり、お墓まで言って、お参りしてきた。その日の晩、佐藤が気を利かせて、仲間達に声をかけて飲み会を開いた。


 その席で下村が、俺は、外で働くだけで、家庭内のことは全部、女房に任せっきりで、子供達には厳しく接した。その他、転勤続きで、女房、子供には、随分、迷惑をかけたと言い、涙を隠さなかった。


 また、辰野は,知り合いばかりで、そろそろ息苦しくなってきたと本音を漏らした。だから、近いうちにもっと暖かいところへ行って1人暮らしを始めたいと言い出した。これを聞いて、みんなは、驚いた。


 下村は、責任感が強くリーダーシップを発揮し町のために貢献してきた。まさか辰野を出たいと聞くと、思っていなかったのであろう。本気かよと驚きの声が上がった。俺だって羽目を外して馬鹿やりたい時もある。


 ただ心に封印をしていただけさ良い女を見ると、今でもときめくのは、他の男と一緒だと大声で話した。下村支店長は、優しく親切で本当に良い人だ、なんて、相手が、勝手に決めただけさ。俺は、本性を隠していたが、息苦しくてしょうがないと語った。

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