表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/54

2話:転勤後、子供達は東京の大学へ

 宮入俊英は、1950年4月、東京都立大学経済学部を卒業しN生命に入社。入社後、すぐに新潟へ転勤となった。しかし雪国の生活は初めて、特に冬の曇り空と、降り続く雪には、閉口した。しかし、イカ、イワシなど安くて旨い魚が、気に入った。


 そのため、金が入ると新潟の古町のマルイと言う旨い寿司に出かけ、新潟銘酒を飲みながら寿司を食べるのが、唯一の楽しみ。そして、寿司を運んでくる若い新潟娘に一目惚れした。


 彼女も実家を出て、この店に住み込みで働いていた。2人は、口数は少なかったものの相性が良かったのか、恋に落ちるのに時間はかからなかった。一目惚れした新潟の女性の名は、水上静恵さん。


 彼女と激しい恋に落ち、その年の10月15日結婚。翌年1951年9月15日、宮入晋平が誕生。その後、1955年5月には、宮入圭子が生まれた。新潟で8年過ぎ、転勤で、長野県の辰野に引っ越した。


 宮入俊平は、塩尻、岡谷、諏訪、伊那、飯田地区を担当し営業活動をした。息子の宮入晋平は、多感な小学校から中学3年の12月まで自然豊かな辰野で過ごした。


 その後、宮入一家は、1967年の12月、東京へ引っ越し、N生命八王子支店に勤務。この頃、宮入晋平は、東京都立大学経済学部を受験することを決意し、1970年2月に受験して合格。


 母は、寒い信州から暖かい東京へ行けると喜んだ。4歳年下の妹の圭子も東京行きは、大歓迎。12月29日、8時、引越しのトラックが辰野の借家の前に泊まった。そして6人の男が出てきて次々と荷物をトラックに積み込む。


 昼過ぎに父が家に帰って来て、宮入家の4人は、父の車に乗り八王子のマンションに向かい16時過ぎに到着。そして3DKのマンションに入った。マンションのエレベータ乗り、部屋に入ると、その狭さに驚いた。


 その後、電話が入り、荷物の搬入は、明朝と連絡が入った。8時過ぎにトラックが来て荷物の搬入を開始。14時過ぎに、引っ越しが完了し、書類にハンコをついて引越し終了。


 両親の部屋と晋平と圭子の部屋と6畳のリビングで家賃は14万円。既に、晋平は、都立大学に合格し京王八王子まで徒歩15分で行き、京王線特急で明大前で井の頭線に乗り換え渋谷へ。そこから東横線で東京都立大学へ計75分。


 東京都立大学では、運動クラブには入らず、経済研究会に入り為替、株式、商品「金」の同好会に入った。そのメンバーは、男子6人女子4人の計10人。毎週、顔出すのは、会長の海山幸次、副会長の西野勝子と宮入晋平の3人だった。


 海山は、日本経済について、戦後の日本の景気は、アメリカ、欧州の邪魔が入らなければ、必ず高度成長が見込めると楽観視。しかし西野は、日本は、上手にカジ取りしないと欧米に利用されるだけだと悲観論者。


 これ回避するには、日本でしか作れないような高度な技術が必要だと論じた。研究室の先生の松下弦蔵先生は、西野の考えに近かった。しかし、短期的には、欧米の意向で、日本経済が、潤う事もあると予想。


 その時が投資の絶好のチャンスだと話していた。やがて4月になり圭子は、地元の都立中学の3年生に入り受験勉強を続けた。母は、家族の面倒を専念し就職しなかった。


 しかし、父がN生命のセールスとして高い給料をもらったので経済的には全く問題なかった。この頃、圭子は、中央大学を受験したいと、父に伝え了解をもらった。その後、予備校に通い始めた。


 やがて、夏が来て、秋、冬となり東京の冬が暖かいと母が驚いた。冬でもマンションに入る日差しで、眠くなるほどだと喜んでいた。この年の夏は、サマーランドへ出かけ日焼けした。


 しかし、東京の夏は暑く、夜になっても気温が下がらず、母は、体調を崩した。 そこで、昼間は、クーラーを入れて生活した。それでも父は営業で外回りをして、汗臭いシャツとワイシャツ毎日取り換えた。


 秋、冬が過ぎ1971年となった。今年の3月、20歳を迎えるので株投資したいから100万円貸して欲しいと、晋平が言うと、父が、5%の利子で貸すと言った。この年の4月、中央大学の経済研究会に女性部員が入会した。


 彼女は、この大学の職員として採用され、事務の仕事をしている三輪沙織さん。仕事の傍ら、生きた経済の勉強をしたいと経済研究会に松下弦蔵先生に入会を希望しとメンバー達と交渉し入会した。


 彼女の学問への情熱に負け入会を認めた。さらに、自分で投資を始め経済の勉強を勉強していて、その考えもしっかりしていた。その姿を一目見て、宮入晋平は、感動を覚え、気に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ