１６話：辰野を再訪と松本旅行
お土産に虎屋の小型羊羹３６本入りを渡すと奥さんが、これ１万円以上するのよと驚いた。それを見て、下村が、これで宿代としては、十分だと、笑いながら言った。今日は、松本へ行って、夕方、戻ってくるよと言った。
２０１３年６月２０日の土曜の晩にでも中学時代の仲間にも集合をかけようかと言った。すると、そうしてくれればありがたいと答えた。荷物を置くと、下村の奥さんが、お茶を出してくれた。
下村が、宮入に奥さんが亡くなって１年たつが大丈夫かと気遣ってくれた。まー何とかと答えると、俺も他人事じゃないから、最近は、かみさんに、やさしくしているよと言った。すると、奥さんが、そうかしらと言い、笑った。
家から速足で１０分で辰野駅へ行き、松本まで切符を購入し１１時発の中央線にのり１２時過ぎに松本駅に到着。駅の蕎麦屋で腹ごしらえして、バスで松本城へ行き、天守閣まで上がり、汗をかいた。
そこで浅間温泉の地元の日帰り温泉につかり畳の休憩室に入り、ゆっくりすると、いつの間にか眠ってしまい起きると１５時近かった。近くのバス停から松本駅行きのバスに乗って１５分で着いた。
そして時刻表を見ると１６時前の電車まで時間があるので喫茶店でゆっくりと珈琲を飲みながら時間をつぶした。松本駅前の人の動きを眺めていると、恋人同士が待ち合わせて、抱き着くシーン、若い女が男を見送るシーン。
さらに、小さな子供連れの親子の姿と、多くの人生の１シーンを見ることできた。すると昔、亡き、女房との出会い、デート、子供を連れての小旅行などが思い出され、寂しい気持ちになった。
やがて列車の時間になり１６時前の列車に乗って塩尻駅で中央線に乗り換えた。そこから２０分で辰野に１７時前に到着した。辰野駅から、ゆっくりと１５分かけで下村の家に１７時頃、着いた。下村の奥さんに挨拶して離れで休んでますと告げた。
１８時過ぎに、奥さんがお風呂にしますか、夕食にしますかと聞かれ、どっちでもと答えると、夕食の支度が出来てますから食事してからお風呂へどうぞと言ってくれた。うちの旦那は、もう少ししたら帰ってくる思いますと言った。
そこで、松本の浅間温泉で、湯に、つかってきました。下村、戻ったら、一緒に夕食にしませんかと言うとわかりましたと答えた。部屋で文庫本の小説を読んでいると下村が帰ってきましたと奥さんの声が聞こえ、本宅へ行った。
するとテーブルに夕食が用意されていた。そして味噌汁を飲むと、やっぱり味噌汁が美味いねと宮入がうなった。今晩のおかずは野菜と豚肉の炒め物だったが実に旨い。調味料何を使ってるの奥さんに聞くと、料理番組で見たオイスターソースを入れただけですと答えた。
下村が、かみさんは、料理が上手なので、ほんとに助かってますと言うと、恥ずかしいじゃないですか、人前で褒めないでくださいと言った。そうして食事を終えると、最近、銀行を退職してから辰野の商工会の会長を仰せつかった。
そして、多くの相談事を受けて、今でも仕事をしているような気になると話した。それだけ、信頼されているのだからよいじゃないかと言うと無給だぜと笑った。その後２０時頃、宮入は、部屋に戻り、地酒をコップに入れて飲みながら、本を読んだ。
やがて、２２時過ぎ、布団に入った。翌朝、６時過ぎに起きて家から５分の川の近くを散歩して６時半頃の家に戻った。奥さんが７時に朝食の支度しておきますと言われ、お礼を言った。７時頃、ダイニングへ行き、朝食をいただいた。
その時、下村が、そうだ、今日１８時半、駅近くの佐藤君の居酒屋に集合する様に仲間に連絡しておいたと語った。宮入が、悪いなと言い、今日、レンタカーを借りて高遠へ行ってみると言うと気をつけてなと言ってくれた。
朝食後、一休みして、辰野駅近くのレンタカー屋に９時半に行き、書類を書いて、免許証を見せて小型車を借りた。その後、辰野から国道１９号線を南下し箕輪から２０７号線で、高遠城址公園に１０時に到着。
車を、駐車場に車を置いて城址公園をゆっくりと散策して回った。公園の人に、近くの名所と旨い食堂を尋ねた。すると、「高遠しんわの丘ローズガーデン」と、高遠そばの店を教えてもらった。
