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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

妄想癖と百合

作者: あさねこ

 私は妄想癖があるほうだと、自分でも感じている。例えば、寝るとき。次に目が覚めたら、私の横で可愛い女の子が寝ていたりしないかな、とか。

 だから、これも私の欲望と妄想が生み出した産物なのだと思った。朝だった。30代が見えてきた独身で一人暮らしの女の部屋。そのベッドの中、私の横に、妄想の中からそのまま出てきたような少女が寝ていた。

 私はまず、自分の頬を(つね)った。痛かった。次に、目の前で静かに寝息を立てるその少女の頬を、少し躊躇した後、触った。柔らかかった。しっとりしていて、且つ、さらさらだった。少女はまだ寝ていた。

 一頻(ひとしき)りそれを撫でまわした後、自分の掌を眺めた。見慣れた掌だった。どの線がどんな意味なのか調べて、何の成果も得られなかった手相があった。

 そして、掌の向こうにある見慣れない顔に目をやる。不思議な感覚だった。二次元でしか許されないような構造を何の不自然さもなく実現させ、三次元の世界では不可能であるはずの美しさを当然かのように持っている顔を見るのは。

 これは、果たして現実なのか。それとも、私の妄想、夢の中なのか。

 少女が目を開いた。目が合った。

 その瞬間、私は思った。こんな可愛い女の子と付き合えたら良かったな、と。

 気付いたら、私と彼女は付き合っていた。さらに、私も彼女に見合うような美人だったらいいな、なんて妄想してみた。

 なんてことない、私の容姿も悪い方ではないじゃないか。

 妄想の中だとか、現実だとか。そんな小さいことは、もうどうでも良くないか。私は私の妄想の通りの百合カップルなのだから。

っていう妄想

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