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我地藍歌 詩集

一生死んだままのきみへ

 「死んだ魚の目をしているな、きみは」

 死んだ男がそう言った

 「何かあったのかい」

 何もないよ

 「そうかい。じゃ、また明日」


 「世界が灰色に塗り変わったときにする目をしているな、きみは」

 世界は絶望で溢れている

 「相談相手は居るのかい」

 相談するのが恥ずかしい

 「そうかい。じゃ、また明日」


 「泣いてきたのかな、きみは」

 俺は脆弱、絶望的に、何もない

 「絶望して無いね、きみは」

 もう何も怖くないんだ、怖さなんて壊したんだ

 「勇気があってえらいんだね」

 もう辞めたいよこんなこと

 「そうかい。明日もまた、ここに来なよ」


 朽ちたい

 「今日は一段と荒んでいるね」

 消えたい

 「そうかい」

 俺は一生死んだままなんだ

 未来なんか無い

 絶望だってもう飽きた

 「世界はきみに甘くない。押し潰してくる、容赦なく、全力で」

 死んだ男がそう言った

 「気づいたらもう、首元にナイフを当てられている」

 死ぬだけなのにそう言った

 「変えることなんてもう無理だよ」

 当たり前だ、これだけ頑張ってきたんだから

 変わることの出来るのは、自分だけ

 悪い方向に、変わるだけ

 「一生死んだままのきみへ」

 死んだくせに言ってきた

 「その死んだ目で、明日も藻掻け」


 「世界がきみを殺してくれるなんて、都合の良い妄想をするなよ。何か起こすのは自分だ」

 死んでるくせに

 「そうかい。明日もまた、ここに来なよ。きみが死ぬまで相手してやる」

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