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『明日はきっと良いことがあるさ』
『明日はきっと良いことがあるさ』
目が覚める。
体にはいまだ眠気が染みついていて、意識は自然と落ちていく。
きっとこのまま落ちていければとても幸せで、そんなかなわない願いを踏みつけ起き上がる。
今日が始まる。
今日は毎日同じで。
テレビをつけて、時間を確認する。
顔を洗い、歯を磨く。
髪を整える。
前日までに洗濯したYシャツに袖を通す。
テレビを消す。
鞄を持つ。
玄関の鍵を開け、外に出る。
学校に行き、仕事に行き。
機械のように学び、機械のように働き。
動物のように帰巣本能を働かせる。
疲れた体はエンターテインメントを求め、貪る。
そして植物のように寝る。
今日を機械の如く正確さで消費する。
誰かが言った。「明日はきっと良いことあるさ」
明日を期待し、目が覚める。
今日がまた始まる。