~精神疾患の当事者による、独断と偏見に満ちた精神病紹介③:離人症~
拙い文ですが、これでも頑張って書きました←
【離人症】
簡単に言うと現実感がなくなる病気である。
よくゲームで操っているアバターに魂ごと乗り移り、アバターとして五感を有し、ゲームの世界を生き抜く小説やアニメがあるが、
そのアバターと一体化した瞬間の違和感が長期間続くのが離人症だと言えば分かってもらえるだろうか。
右手を握ろうと考え、確かに右手の指が動き、拳になっているのを感じるし、目でも確認できるのだが、何故か他人事のように感じるのだ。
ストレスによって引き起こされる症状で、病名をしらなくても体験したことがある人は、そこそこいたりする。
しかし、大概は暫く放置すれば治っていくため、おざなりにしてしまう人が多い。
この病気の厄介なところは、
最初は、自分が自分でないような感覚に戸惑い、それが夢などではなく現実である事に恐怖するのだが、
日を追うにつれて慣れていってしまう事である。
違和感があるのが当たり前になってしまうのだ。
それならばそれで良いと思われるかもしれないが、実は非常にまずい。
離人症の症状は、いわゆる麻酔のような役目を果たしている。
処理能力を超えたストレスを緩和するために、現実感を失くすという選択を脳がしている状態なのだ。
そのため、ストレス過多の環境が変化せず、どんどん現実感が消えていっても本人すら気づけない。
結果、明らかにおかしな言動をしていても、本人は実感がわかず、危機感も持てないという奇妙な事態に陥る。
最悪、自覚した時には、日付が分からなかったり、約束の時間を間違えたり、電車から降りるのを忘れて終点にいたり、まるで痴呆症のような言動をしていることすらある。
だが、周囲は悪化した離人症患者の知識など殆ど持ち合わせていない。
よって、「ふざけている」とか「甘えている」とか「馬鹿にしている」とか「頭がおかしくなった」と思われ、罵倒されたり無視されたり軽蔑されたりして、一方的に縁を切られてゆく。
そして理不尽に孤立化し、追いつめられ、更に離人症は悪化の一途を辿る。
だから、離人症の気配を感じたら、軽視せずストレス環境からの離脱を強く推奨すると共に、
もし上記のような方がいたら、去っていくのではなく、根気強く話に耳を傾け、可能ならば病院に連れて行ってあげてほしい。
一番、周囲とのズレに困惑しているのは本人なのだ。
ここまで読んでくださり、ありがとうございましたm(_ _)m