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朧月夜で杯を  作者: 藤紫音
9/10

名前のない怪物9

 ふたりが次の目的地に着き調査をしても結果は同じで被害者につながるような情報は何も得ることが出来なかった。


 夜、満は花蓮に今日の調査結果を報告していた。


「まあ、そんなものじゃろう」


 花蓮は調査に関して特に期待をしている様子もなく話を聞いていた。


「今日はもともと神谷さんへの頼みごとが主目的だったので、とはいえ少し公園がきれいすぎたのは気になりました」


「今は特に動けるわけでもない、ゆえにそのあたりを調べさせてみるかの」


「わかったからと言ってどうにかなる可能性も低いですが」


「さて、此方はこれから散歩にでも出かけるとするのう」


 満は花蓮について行くかどうか悩んだ。悠に頼んだものは恐らく明日の午後になるだろう。午前中は特にできることもない。ならば今夜は彼女について行く方がいいのではないか。


「僕はどうしましょうかね」


「別段無理についてくる必要はない。今宵もまだ半端な月じゃからな。ま、此方と共に夜風を楽しもうというなら別じゃがな」


「ええ、そうですね。今夜は優しい風が吹きそうですから僕もご一緒させていただこうかと」


 満は花蓮の言った言葉が遠回しなお誘いだと感じ、微笑みながら彼女に返した。


「今宵はどのような装いにしようかの」


「この前みたいに変な雑誌を参考にするのはやめてくださいね」


「変なとはなんじゃ。あれも立派に売れとるんじゃぞ」


「それは、まあ、そうかもしれませんが。ええとじゃあ、何を参考にしてもいいですが時、場所、場合を少しは考えていただけますか」


「此方はそういうのに疎いからのう。多少一般人と異なることになるかもしれんな」


 何度言っても花蓮のこのスタイルは買わないのだろうと注意するたびに思う満だった。


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