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夢の続き  作者: 青獅子
高校1年生・春
20/27

第18話

6月に入ると、夏の甲子園の愛知県予選に向けてチームが本格的に動き始めた。俺自身はと言うと、5月以降、練習試合で投手を務める機会が何度かあった。そして6月初旬に行われた校内合宿の最終日で、夏の大会の登録メンバーが発表された。




◇ ◇ ◇




名古屋東高等学校


部長 松井邦雄(まついくにお)

監督 小林綾羽(こばやしあやは)

コーチ 脇田修一(わきたしゅういち)笹川直樹(ささがわなおき)


ベンチ入りメンバー


1 投 水野雄馬(みずのゆうま) 左左 1年

2 捕 平野雅文(ひらのまさふみ) 右右 1年

3 一 上田和道(うえだかずみち) 右左 1年

4 二 松原隼太(まつばらはやた) 右左 1年

5 三 日高進一(ひだかしんいち) 右左 1年

6 遊 松村和樹(まつむらかずき) 右右 1年

7 左 池田武志(いけだたけし) 右左 1年

8 中 伊藤優太(いとうゆうた) 右右 1年 主将

9 右 谷川南朋(たにがわなお) 右左 1年

10 投 鈴村勇吾(すずむらゆうご) 右右 1年

11 投 後藤航平(ごとうこうへい) 左左 1年

12 捕 西村大地(にしむらだいち) 右右 1年

13 捕 吉川哲也(よしかわてつや) 右左 1年

14 内 大谷泰人(おおたにやすと) 右左 1年

15 内 加藤雄平(かとうゆうへい) 右右 1年

16 外 大井雄介(おおいゆうすけ) 右左 1年

17 外 宮内高志(みやうちたかし) 右右 1年

18 投 中井周平(なかいしゅうへい) 右右 1年

19 投 山田俊介(やまだしゅんすけ) 右右 1年

20 投 坂口春道(さかぐちはるみち) 左左 1年


記録員 石原紗奈(いしはらさな)(1年)




◇ ◇ ◇




結果的には、大竹・藤田・大脇・橋本・木村の5人がメンバーから外れることになったが、5人が5人、もう必要がないという訳ではない。小林監督は今大会中、マネージャーとともに登録メンバーのサポートや相手校の偵察に向かってもらい、秋以降のベンチ入りを目指すよう5人に促した。そして小林監督の推薦で、俺が引き続き主将を、そして紗奈がチーフマネージャーを任されることになった。




◇ ◇ ◇




抽選会の結果、名古屋東は1回戦から登場し、3回戦まで勝ち進めば、シード校であり、昨年の代表校である海工大栄電(かいこうだいえいでん)高校と対戦する構図となった。海工大栄電高校は甲子園優勝経験もあり、数多くのプロ野球選手も輩出した全国区の強豪私学である。昨年の夏の甲子園ではベスト8まで勝ち進み、新チームである昨秋の県大会では準優勝、そして今春の県大会でもベスト4という戦績だ。


ちなみに愛知代表の有力校には、栄電の他に、今年の春の甲子園に出場し、ベスト4まで勝ち上がった東望(とうぼう)高校と、今春の県大会で準優勝、その後に行われた東海大会でもベスト4まで勝ち上がった大京大大京だいきょうだいだいきょう高校の名前があった。いずれもシード校であるが、秋春の県大会を制した東望が頭一つ抜けてるようだ。


そして後に続くのは、いずれも春ベスト8でシード校でもある、光栄(こうえい)愛知第一(あいちだいいち)豊川学院(とよかわがくいん)の古豪3校と、刈川(かりがわ)西浦(にしうら)の県立2校であった。シード校は以上の8校。そしてノーシードの注目校に挙げられていたのは、いずれも実力校である、智学館(ちがくかん)舞産大三河(まいさんだいみかわ)、そして5月に初めて練習試合で対戦した星徳(せいとく)であった。




◇ ◇ ◇




夏大のメンバー発表と抽選会が終わると、いよいよ夏の甲子園の愛知県大会まで、あとわずかとなる。1度でも負けたら終わりの一発勝負。1ヶ月後、180校以上の出場校の中から愛知県の頂点に立ち、甲子園のその姿を表すことができる高校はたった1校のみ。そして2ヶ月後、唯一敗戦の経験を知ることがなく、全国の頂点に立てる高校は全国約4000校のうち1校のみ。




夏への扉は、俺たちの眼の前で音を立てて開いたばかりであった。

実際の季節、そしてもう一つの高校野球ものと歩調を合わせるのが大変です・・・

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