第一章 魔術
旧暦2047年日本では氷河期が終わり平和な世界が訪れていた。しかし氷河期のあまりの強大さによって地球の軸は若干ずれたことにより物理的に発動不可能な「魔術」を使えるごく少数の人間が存在するようになった。
斎藤五月/16歳/霞ヶ丘高校新1年生
第一章 魔法
「は~今日から高校生か、だるいな~」
多少の文句を口にしながら俺は新しい制服に身を包み今日から行く高校という名の留置場に向かっていた。
最も十字路で女の子とぶつかったり、パンをくわえた女の子とぶつかったりなんてこともないわけだが、って俺どんだけ女子とぶつかりたいんだよw
なんて考えながら歩いていた、
「さっきから人全然いないな、ちゃんと30分前には出たのに…ん?」
..........あっれ~?????
腕時計は朝5:30を指していた
「遅刻してねえじゃん!」
というより早い 早すぎる確か家の時計は8:00を指してたのにマジかよ
溜息をついてどこで時間をつぶそうかと考えてた俺に一人のサラリーマンが声をかけてきた。
「すいません先日足を怪我してしまって階段を登れないので負ぶってくれませんか?」
男が男を背負うってどんな状況だよ、ドラマとかアニメでも大抵の場合
老人だよ?それにあんた20代くらいだろ、まあ怪我してる人を見捨てるわけにもいかないから取り敢えず背負うか
「はい、分かりました」
「ありがとうございました。おかげで助かりました。」
「いえいえ、怪我してる人を見捨てるわけにもいきませんから」
「では私はこれで」
「あ、一つ言い忘れてました」
「あんた魔術師だろ」
「はて、何を言ってるのやら?」
「ばれたくなきゃせめて攻撃系魔法の気配は消しといた方がいいぜ」
敵は意表を突かれたような表情をして
「ふっ、ばれたなら仕方ないな、お前には死んでもらう」
アニメとかでこういうシチュエーションは何度か見たことはあるが現実で来るとはな
「神技なる炎よ今我が手に力を与えたまえ」
ドカーンという音とともに地面に振動が伝わりそれと同時にコンクリートが宙を舞った。
「他愛ないな、強いと聞かせれてたがこの程度かやはり負け犬だったか」」
「誰が負け犬だって?」
五月は立ち上がり何もなかったかのように敵を見つめていた、その体はいたって普通で傷一つ付いていない
「貴様なぜあの魔術を受けて立っていられる」
「自分の魔術に聞いてくれや、ついでに言っとくがなあの程度の魔術で俺が倒せると思うならその考えを直すことだな」
今のセリフ超カッコよくなかった? おっといけない戦いに集中だ
「馬鹿な?!魔術ランクAの魔術だぞ!」
「ランク?そんなもん俺を倒すのには関係ないね」
やべ今のもカッコよくね?w だから集中だって!
「さて次はこっちが攻撃する番だな」
そして俺は魔術詠唱を始める
「我は神の右手にあらんもの、我は龍の一族のあらず、我はこの大地を破壊せし者」詠唱を終えた俺の前には赤く光る龍の顔が見えた
「まさか、いやそんなはずは無い!だって滅びたじゃないか!」
何か喋っているのは分かったが何を言っているのかは俺には分からなかった。
そして龍は敵を食らう様な勢いで吹き飛ばした。
敵は瀕死の状態だった、そして瀕死の状態のこいつは俺に言ってきた
「お前はあの滅びたはずの龍の一族なのか」
「さあな、俺にもわからん」
「分からんだと?」
「ああ分からん、生まれたとこも親もなぜ俺が魔法を使えるかも」
そう俺は何も分からない、だから俺の過去を知るまで俺の戦いは終わらない。