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恋する猫  作者: 佐藤 鈴
3/3

03 その猫、お持ち帰り

 猫好きな俺は、その猫を放っておけなくて、家に連れて帰ることにした。その猫を抱き上げると、抵抗もなくすんなりと俺の腕の中に納まった。よくよく見ると、野良猫だろうか、耳は少し欠けていて痩せていた。しかし、人に馴れている…。

「…。お前、野良か??」

猫が返事をするはずないのに、俺はその猫に聞いていた。

「にゃ~」

「…。返事したのか??」

「にゃ~」

「…えっ…返事なのか?……それとも、鳴いただけ…??」

「……うにゃ~」

「……。とりあえず、俺の家においで??」

「うにゃっ」

「……。」

返事をしてくれたとしても、俺には猫の言葉がわかるはずもなく、意味がない…。が、この猫が可愛いということはわかった。


 俺はアパートで独り暮らしをしているため、他の人にばれなきゃ、とりあえずは・・・いいよな・・・。

家に着き、俺も猫も濡れていたからタオルで拭く。…が……寒い……。シャワーでも浴びるか…。どうせなら、この猫も洗うか…??

「…お前も風呂に入るか?」

俺はまた、猫に聞いていた…。

「うにゃっ」

「…よしっ。入るか。」

「うにゃっ」

もし、嫌だったら暴れるよな…?そうなったら、風呂から出せばいいもんな…?

そう考えた俺は、猫も一緒に風呂に入れて洗うことにした。


 猫にお湯をかけ、お湯を張った洗面台に入れると・・・

「うにゃ~~ん♪」

暴れる事はなく、気持ち良さそうに鳴いた。猫にしては珍しいよな…。ほとんどの猫は水が苦手なはず…。やっぱり、この猫は家猫か…?…家猫だったら、飼い主に悪いよな…。明日、この猫をいた場所に戻そう…。そう思いながら、猫を洗い、喉をなでると、ゴロゴロ♪と気持ち良さそうに鳴いていた。

猫を綺麗してから、俺も素早くシャワーを浴びた。部屋に戻ると、猫はベッドの上ですぴすぴと寝ていた。

「……。可愛いなぁ。……って、俺の寝るスペースがない……。」

「…すぴ~…すぴ~…」

猫は起きそうにもない…。まだ、晩飯を食べていなかったことを思い出し、冷蔵庫を開け、適当に野菜と肉を炒め、味噌汁も作り、食べる。俺が晩飯を食べていると、猫が起きてきて俺の周りをうろうろし始めた。

「…。お前もなんか食べたいのか?」

「うにゃっ」

「…。少し待ってろよ~」

俺は冷蔵庫の中にササミがあったことを思い出し、少しササミを茹でてあげることにした。

「ほれっ。ササミと水だぞ~」

「うにゃ~~ん♪」

嬉しそうに鳴いた後、猫は食べ始めた。俺も中断していた晩飯を食べ始める。

「うまいか?」

「うにゃっ」

猫は食べ終わると俺の膝の上に乗り、また寝始めた。

「…すぴ~…すぴ~…」

・・・動けない…。俺は気持ち良さそうに寝ている猫を退かしたい。が、寝ている姿が可愛すぎて起こせない・・・。

とりあえず、動けない俺は、テーブルの上を片付け、文化祭の仕事をすることにした。

文化祭の資料をパソコンでタイピングする。

「…にゃう…?」

「おっ…。起きたか?」

「…にゃう~~…?…すぴ~…」

起きたと思ったらまた寝た…。今のは寝言か…??可愛いすぎんだろっ。

結局、起こすことが出来ず、約1時間この状態だった。

「……にゃ~…」

「今度こそ起きたか?」

「うにゃっ。…にゃうっ。」

起きた猫は、俺がタイピングしているパソコンに猫パンチを繰り出す。勿論、猫が文章を打てるはずもなく・・・意味不明な文字の羅列が出来上がっていく。

「!!??おまっ!!?!」

俺はある程度進めると保存する癖があったから、なんとか平気だった…。

猫がパソコンに夢中になっている間に、食器類を片付けることにした。

俺が食器を持って歩きだすと、猫が俺の足元にすり寄ってきた。俺が移動すると一緒についてくる。その姿が可愛くて、俺はついついにやけてしまう。

「はぁ。お前は明日、家に帰るんだぞ??」

「……うにゃ…」

なんだか、元気のない声で返事をされた。

「……。お前にはご主人様が居るんだろ?」

「うにゃ~~……」

猫は元気のない声で返事?をしながら、俺にすり寄ってくる。それはまるで“ご主人様はいないよ……”と言っているかのようだった。


 それから、食器を片付けた俺は寝ることにした。

「ほら、寝るぞ?」

俺がベッドに入りそう言うと…

「うにゃ~~ん♪」

猫は嬉しそうな声で鳴いた後、俺のベッドに入り、俺の横で丸まって寝始めた。

可愛いその姿に俺は微笑み、猫を少し撫でてやる。

「…。おやすみ。」

猫にそう言って、俺も夢の世界へと行くことにした。




 

昨日の今日で投稿しました!


今回の話の中で、優希と猫の会話のようなシーンがありますが、、、私自身が好きなシーンでもあります。皆さまにとっても好きなシーンになると嬉しいです。


優希はこの猫をもといた場所にかえすのでしょうか?


まだまだ未熟で文章力のない佐藤ですが、お付き合いください。

それでは、また。


           佐藤 鈴(=^・・^=)みゃー

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