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雨の公園

五月雨にトタンが濡れます


雨水滴るサッカーボール


苔むした川辺の石を打つ


澄んだ匂いの雨でした



君は泣きながら歌っている


雨越しの陽光は淡く眩しく


君はほとんど絶望してしまって


傘を仔猫にあげました





何も変わらなくてもいいか?


僕が頑張った今日の結果の明日が


昨日と何も変わってなくてもいいか?


それが正直に生きることだと


君に胸を張って言っていいか?




裏切るお母さん


そこから逃げたお父さん


一人ぼっちの君を空は包むだろう


雨は冷たく靴先を叩き


濡れて揺れるタンポポの黄色は痛切で


青みがかった思い出の公園よ


いつかの捨て猫は元気だろうか


君の泣いた頬を雨が濡らし


崩れそうな砂のお城に落ちるよ




いつかに帰れなくていいか?


必死にあがいて生きていくことが


幸せだったあの頃を捨てることでもいいか?


そうやらないと生きていけないと


君の目を見て言ってもいいか?



紺色の空の縫い目の夕日よ


それに染まった五月雨の水たまりよ


スニーカーについた茶色い土よ


これから犠牲にする沢山のふるさとよ


心から痛い僕たちを


少しでも優しく見守っていてくれ



できるだけ幸せに生きていけるように


暗く鮮やかな夕闇に飲まれないように


たった一つの美しさを捨てないでいよう


そしたら少しだけブランコを漕ぐよ


できるだけ遠くまで逃げれるように


できるだけ二人でいられるように







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