◇未来にLet's go!!
―失敗は成功の元
実に意味深い諺だ。失敗があるから、成功がある。
人は失敗をし、その失敗を踏まえて成功する。
しかし今回の<失敗>は、単なる失敗としてしまって良いのだろうか?果たしてこの先に成功はあるのか―
2056年5月24日16時57分
「ただいま~」
俺は安藤竜也だ。山城中学校の三年。まあ、何処にでもいる中学生だ。ある一点を除いて。
「帰ったか、竜也」しゃがれた声で俺の帰りに応じたこの人は俺の祖父の安藤昭彦。発明家であり、元総理大臣だったらしい。
「そうじゃ、竜也。ちょっと前に出来たタイムマシンに乗って未来に行ってきてくれや」
コンビニ行ってきてくれ的な感じで言うじいちゃんに全力で突っ込んだ。
「アホ言うな!!」
「まあ、ほんの5分だけじゃらええじゃろ」5分ねぇ…
「まあ5分なら…」まあ俺も未来を少しだけでも見たいけど…
「決まりじゃな。直ぐに地下研究室おいで」そう言ってじいちゃんは地下に降りていった。しょうがないな…
そこには、多分タイムマシンだと思われる機械があった。ガラスで覆われているコックピットに似た物にはスイッチやらコードやらが沢山あった。
「準備はええか?今から大体500年後の未来を見てくるんじゃぞ」
「はぁ!?500年!?何で!?」このじいさんはアホと思ったが、500年後には月にも、金星にも住めるようになるらしく地球上に人類がどのくらい残ってるか確かめて欲しいらしい。
コックピットらしき物に乗り込むと心配になった。
「ほんとに戻ってこれるんだろうな」
「うむ、大丈夫じゃ…………………多分」うむ、大丈夫じゃは聞こえたが最後の言葉は聞こえなかった。
「いくぞよ、出発じゃ!!」そう言ってスイッチを押した。ガラスの外には青や赤や紫色が3秒位広がった後、何もない草原に着陸した。
「?ここが…未来…なのか?」