『外伝Ⅰ』ヒトとマゾク〜全人総力戦争終結〜
全ヒトによる戦争が行われている。
陣営は10以上に分かれており、正直、何のために争っているのか、皆分からなくなっている。
でももう、歯止めが効かないのだ。
俺、『サッカド・スケルツォ』は、平和を求める陣営に加入し、日々、敵対陣営の鎮圧や和解を行なっている……。
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戦争が始まってから約9年が経過した。
陣営は5つにまで減り、世界の半分以上のヒトが犠牲になった。この間、魔物の出現はなく、魔族は洞窟の奥深くで過ごしているとの噂がある。
俺達の引き起こした戦争だが、本当に終わりが見えない。そう思った私は、とある陣営のリーダーに面会を行うことにした。
その陣営は、ヒト・魔族共存陣営だ。
その陣営は、殺人や争いを好んではいるが、平和を求める点では目的は一緒だ。
そして、そのリーダーは『アル・ドルチェ』。
代々、特級剣士や魔法使いを生み出す有名家として名を残しているドルチェ家の魔法使いだ。
彼女の協力があれば戦争を終わらせられるかもしれない。
先日、アルに手紙を送ると、俺達との面会を快く受け止めてくれた。
そうして、自分の護衛を引き連れて、アルの元へと向かった。
「…アル様、サッカド・スケルツォでございます。本日は面会の場を設けていただきありがとうございます。」
「ようこそおいでくださいました。ささ、座ってください。お茶を出させますから…。」
「わざわざすみません…。」
俺達はその場で正座をして挨拶してが、アルに言われる通り、椅子に腰掛けて、お茶をいただいた。
温かいお茶は久しぶりに飲むな。ついてきた護衛も少し顔を崩していた。
一口飲んだ所で、早速本題に入る。
「…それでアル様。俺達の送った手紙の内容はお考えになられたのでしょうか?」
「ええ、魔族の協力を仰ぐ件ですよね?しっかりと拝見させていただきましたわ。」
「…それで、ご意見のほうは!!」
「……。率直に言わせてもらいますと、反対ですわ。」
予想外の返事に俺は少し驚いた。魔族との共存を目的としている陣営だから、すぐに賛成してくれると思っていた。
沈黙の後、アルが話始める。
「サッカド様。私は昔、悪いヒトに襲われていた時、ある魔族がヒトを殺して、私の命を救ってくれたんです。」
「…じゃあなぜ…??」
「……。その魔族は、ヒトを殺した罪で処刑されましたわ。」
「私はもちろん反論しましたわ。でも、そんな事を聞いてくれるはずも無かった…。」
「……。」
「私達は、魔族との共存を掲げてはいますけれど、それぞれが、それぞれのために生きるようにする世界を作るのが目的なのですよ。」
俺達は何も言えなかった。かつて救ってくれた魔族を守るために、この陣営を率いているのだ。
その憎しみのため、この陣営は殺人を好んでいるのだと理解した。
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。
「…でもアル様。逆に俺達が変えていく必要があるのではないですか?」
「…具体的にどうするのです??」
「魔族に対しての好感度を上げるのです。ヒトは魔族に対して良いイメージを持っていないように感じます。」
「そんな中、俺達が動かなければ、一生その深い溝が埋まることはありませんよ。」
「…確かに一理あります…。ですがもし、また魔族が殺されるようなことがあったら……。」
「俺が責任をとって、切腹します。」
「……なんと!!」
「それくらいの覚悟はあります。一刻も早くこの戦争を終わらせなければ、ヒトどころか、この世界が滅びます。」
「……。分かりました。私達も協力します。」
「っ!ありがとうございます!!」
そうして、両陣営の結託が決まった。
俺はさらっととんでもないことを言った気がするが、世界を救えるのなら軽いもんだ。
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翌日、俺はアルと再び話をする場を設けた。
具体的な内容について、2人で話し合うことにしたのだ。
「それで、手紙に書かれていた、協力を仰ぐ魔族って、一体誰のことなんですか?」
「…オクタ族、英雄アトラ・フラット。」
「なっ!アトラ様ですって……。」
「そうです。あのお方にお声をかけるのが一番良いかと思います。」
「しかし、アトラ様はもう……。」
「実は先日、俺の部下が、アトラ様を見つけたという情報が手に入りまして…。」
「情報によると、ビブラー高原の奥深く、古民家のような家に、弟子と住んでいるようです。」
「ビブラー高原…。ヒトが誰も立ち寄れないような魔力が立ち込めているあの場所ですか??」
「そうです。恐らくアトラ様はあそこにいらっしゃるはずです。」
「……。」
アトラは昔、史上最悪の魔王、アルディート・フィナーレを倒し、世界の英雄として名を残している。
しかし、その戦いの傷から、公の場には姿を見せなくなり、もう亡くなったとも言われていた。
そんな伝説の存在の力を借りられたら、この戦争は終わるはずだ。
俺達の目的は決まった。
両陣営の護衛を引き連れて、ビブラー高原へと向かった。やはり道中で魔物の遭遇は0に等しかった。
たまに、他の陣営の護衛がいたが、戦力差を鑑みて逃げていった。
そうしてビブラー高原入り口へとついた俺達は、まずこの魔力をどうにかしなければならない。
とてつもない魔力で囲まれたこの場所は、一度踏み入れると、地面の奥底まで引き釣り込まれると言われているのだ。
「…さて、この魔力を何とかしなければなりませんね……。」
「私に任せてください。こう見えても、魔力制御は得意なんですわよ。」
「……はぁぁ!!!……さぁ、進みますわよ!」
「すごっ…、よし、俺達も続くぞ!!」
アルによって、進む道だけ正常な魔力の流れになった。しかし、ずっと制御しながら進まなければならないので、速くアトラの元へたどり着かなければ、全滅してしまうだろう。
アルを護衛の人3人がかりで支えながら、皆で高原の奥深くへと走り出した。
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走ること30分。アルはもちろん、俺達の体力にも限界が近づいていた。
回復を掛け合いながら進まなければならないくらい疲弊しており、タイムリミットはあと10分ほどだろう。
「はぁ…ふぅ…、アル様、大丈夫ですか!?」
「…今魔力が尽きかけてますの……、必死なので話しかけないでくださいまし…。」
「すみません…。」
これはまずいな。10分ももたないかもしれない…。
諦めかけていたその時、身体が一気に軽くなった。
周りの魔力がすべて無くなっており、目の前には、広大な自然が広がっていた。
ここが、ビブラー高原の奥深く。アトラが居ると思われる場所だろう。わくわくするな。
しかし、失った魔力や体力はかなり大きい。一度ここで休息を取ることにした。
アルは護衛の膝で眠り、俺は火をおこす。
そうしていると、俺の護衛の一人が、あることに気がついて、報告してくる。
「…っ!サッカド様!!誰か来ます!!」
「……!皆のもの、備えよ!!!」
俺の号令と共に武器をもって立ち上がる。すると、奥の方から2人の男性と女性が飛んできた。
雰囲気で分かる。2人ともめちゃくちゃ強いぞ。
その2人は俺達の前に降りて、話しかけてきた。
「君たちヒト?珍しいね。こんな所までくるなんて。」
「そうね。迷い込んだってわけじゃなさそうだし…、あんたら、何しに来たのよ!」
「…俺達は、英雄アトラ様のお力を借りようと、遠路はるばるやってきた所存でございます。」
「……私の名はアル・ドルチェと申します。こちらはサッカド・スケルツォ様でございます。以後お見知りおきを。」
「ドルチェ……。有名な一族のヒトか。スケルツォも少し聞いたことがある…。」
「とりあえず師匠に話があるなら、まず私たちを説得させないといけないわよ!」
そう言って俺達の前に立ち塞がった。
明らかにヒト離れした魔力。一体この2人は何者なのだろうか。
「…それで、あなた達は何者ですか??」
「私はアルス・フラット。アトラの孫だよ。」
「私はマフィー・シャープ。アトラ師匠の2番弟子で〜す!」
「なっ…!師匠のお弟子さんとお孫さん!?」
「その通り。良い反応だね!!」
アトラ直々の弟子2人が目の前にいる。ということは、アトラはやはりここにいる。希望が見えたが、俺達の体力はもう底をついている。ここで弟子にやられてしまうのだろうか…。
だが、俺達のクタクタな姿をみて、2人は呆れたのか、去っていこうとした。
俺は絡まる足を手で押さえながら必死に追いかけようとした。
その瞬間…、さらに奥から強大な魔力がこちらに接近しているのを感じた。
でもその魔力にはどこか、温かみを感じる。
皆がそちらの方を注目する中、アルが背中をトントンとさすられた。
「…!急に誰ですの!!私にセクハラしようとするの…は……っ!!バタンっ!!!」
「アル様!お気を確かに!!一体何者だ!!!」
「…私の存在に気づかないとはな。」
「はっ…!!皆のもの下がれ!!この方が英雄アトラ・フラット様だ!!!」
「…なんと!大変な失礼でした!!」
「よいよい。私も久しぶりのヒトに会えて嬉しいぞ。」
アトラは背後から気配もなくやってきた。
ありえない。さっきまで正面で大きな魔力を感じていたはずなのに…。アトラの魔力があれば、そんな事も容易くできるんだろうな。
アルはアトラに気づいたあと、すぐに倒れて失禁して意識を失い、大変な事になっている。
俺達が膝をついていると、アトラが皆に話しかける。
「…とりあえず私達の家に案内しよう。このお嬢様のケアも必要だろう…。」
「マフィー!!このお嬢様を家の風呂に入れて、服を洗って差し上げなさい!!」
「…承知しました師匠!!…よっと。」
「さあ、お前たちも一緒に来なさい。話をしに来たんだろう?」
「…はい、助かります。お邪魔になります。」
そうして、無事?にアトラと会うことが出来た俺達は、アトラの家で話をすることになった。
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アトラの家はかなりこじんまりとしており、弟子2人と暮らすにはちょっと狭いようにも感じた。
俺達全員で行ったもんだから、かなり窮屈だった。そのため、家の中には、アルの付き添いでいるマフィー、アトラ、俺が残っている。
後の護衛は、アルスに外で稽古をつけてもらっているらしい。
アトラにハーブティーを出してもらい、ゆっくりと話をする。机にも壁にも、楽器や楽譜がいっぱいで、ついつい目を取られそうになる。
とりあえず、早速本題に入るとしよう。
「…アトラ様。率直に申し上げますと、俺達の全人総力戦争終結に向けて、お力を貸してほしいのです。」
「…ほう。続けてくれ。」
「はい。我々、愚かなヒトは、定かでない目的のために、9年間も殺し合いを続けています。」
「そんな世の中が続けば、いずれヒトだけでなく、魔族の方々にも被害が及ぶと確信しております。」
「そのため、魔族であり、世界の英雄であるアトラ様のお力を借りれば、この長く苦しい戦争に終止符をうてるのではと考えまして…今回我々はここに参りました。」
「……。マフィー、聞いておったか?どう思う??」
「私は反対。なんで私達まで巻き込まれなきゃいけないのさ。」
「そりゃ、ほっといたらいずれヤバいかもだけど、第一、魔族を嫌ってるヒトの手助けなんてしたくないわよ!!」
「…………。」
ごもっともな意見だ。
深く長い沈黙が流れた。外でアトラと護衛が必死に手合わせしている音が響いている。
俺は楽器を見渡しながら沈黙をはかっていると、アトラが先に動いた。
「ふん…。黙っててもしょうがない。サッカドよ。もし私達に手を借りたら、具体的に何をするんだ?ヒト殺しか?領土を剥奪するのか??」
「…どちらでもありません。」
「我々は世界の秩序を正すためにアトラ様のお力を行使します。戦争を終結させ、ヒトと魔族が分かり合える世界を作ってゆくために。」
「…、なるほど。お前の意思は受け取った。だが、私達は魔族だ。英雄と言われているが、私達の命の保証がないだろう。」
「それに、私はもうほとんど力を失いつつあるのだ。だから今、こうして弟子をつけているのだからな。」
「…それでも、あなた様のお力は大変素晴らしいものでしょう。是非ともよろしくお願いしたいのですが…。」
「…マフィーは今のを聞いて気持ちが変わったか??」
「そりゃ、少しは同情しますけど。完全には傾いてないですよ。」
「アルスにも聞いてみたほうがいいかと。」
「そうだな。悪いが呼んできてくれ。」
そうして、マフィーが外で稽古をつけているアルスを家に連れ戻した。
護衛は外で続けて稽古していてもらおう。せっかく来てもらったのに話し合いに参加できないのは申し訳ない…。あとで酒でもおごってやるか。
「……。というわけなのよ。アルスはどう思う?」
「うーん。僕はどっちかって聞かれたら、賛成かな。戦争は嫌だし、ヒトと仲良くできるチャンスがあるなら、挑戦してみたいし。」
「ふーん。アルスはそうなのね。じゃあ私も良いわよ。協力してあげる。」
「…っ!ありがとうございます!!」
「…で、お祖父様はどうなのさ?」
「私は2人の言う事に従うよ。サッカド、君に賭けてみるよ。」
「ありがとうございます!!」
そうして俺達は、アトラ、アルス、マフィーという強力な存在の力を借りられることになった。
俺達は一度陣営に戻り、明日正式な話し合いを行うことにした。
ちなみにアルはまだ意識が戻らず、護衛と共にアトラの家に残っている。
かわいそうに……。
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翌日、事件が起きた。
アルが不在の陣営本拠地で、敵対陣営からの襲撃を受けたらしい。
俺達がアトラの所へ行く間、俺の陣営の兵士も派遣していたのだが、壊滅寸前のようだ。
俺は残りの護衛を引き連れて行き、初めての大量殺人を犯した。卑怯なやり方の奴には腹が立って仕方がない。
アル陣営の兵士の死体の中には、アルがずっと話していた大親友の愛用していたローブが落ちていた。
その後俺は、アトラの家へと急いだ。
ビブラー高原に立ち込めていた魔力は、やはりアトラによるものらしく、昨日解除してくれたので、自由に行き来することが出来るようになった。
家につくと、すっかり元気になったアルがいた。
アトラ達は今は姿が見えなかった。
アルは俺に気づくとすぐに駆け寄ってきたが、俺達の血まみれの姿を見てすぐに慌てた。
「あ、サッカド様!昨日は……って、どうしたんですかその汚れ!!なにかあったのですか??」
「……アル様、よく聞いてください。」
「ーーーー。」
俺は今朝のことを全て話した。
アルは目を瞑りながら聞いている。
怒っているようにも見えるし、悲しんでいるようにも見えた。
俺が話をやめると、アルは目を開いた。
その姿に俺は驚愕した。彼女は笑っていたのだ。
「ふふっ。よくやってくれましたね。ありがとうございました。」
「…え。アル様、なぜ笑っているのですか?」
「だって、私のために戦ってくれたのでしょう?感謝しかありませんよ…。」
「しかし……。」
「そりゃもちろん悲しいし怒りも湧きますよ。」
「私も、大親友を残してここに来たのですから、恐らく亡くなってしまったのでしょう。」
「……。」
「しかし、ここで倒れるわけにはいきません。」
「せっかく私達ヒトが掴んだチャンスを無駄にはできませんもの。」
「アル様…。本当にお強い心をお持ちで…。尊敬します。」
「これでもドルチェ家のヒトですからね!さぁ、アトラ様達がそろそろ帰ってくるでしょうから、外でお迎えしましょうか。」
「そうですね!先に出てます!!」
「うん。」
その後、アルは家の中で泣いていた。
俺は分かっていた。
アルもかなり辛いんだろう。
俺の前だから強く見せていたけど、大親友を失った悲しみが消えるはずはない。
俺は帰ってきたアトラ達に説明し、家の外で話を進めることにした。
「それで、明日から俺の陣営に来てもらいます。」
「そこでまず、敵対陣営への鎮圧を試みます。この任務には、アルス様の同行を願います。」
「分かった。鎮圧だから、殺さないようにしなきゃいけないんだよね?」
「そうですね、なるべくお願いします。」
「了解!任せてよ。」
「ありがとうございます。」
固い握手を交わし、アルスとの初任務が決まった。
その後の話もどんどん進める。
「そして、その鎮圧の後、アル様とマフィー様にやってほしい任務があります。」
「何をすればいいのよ?」
「敵対陣営の中に、女性を反対する勢力があります。そこの鎮圧を願います。」
「なるほど…、私達の力で魅了させるのね。分かった。やってみるわ!殺すのはダメなのね??」
「そうですね。そこは共通認識でお願いします。」
「分かった。アルにも話をしておくわね。」
「ありがとうございます。」
「…私は何をすればいいんだ?」
「そうですね…アトラ様は、最後に場を設けますので、演説をしてもらいたいです。」
「演説か…あまり得意ではないぞ?」
「大丈夫です。あなた様のお言葉なら、誰でも心に響きますから。よろしくお願いします。」
「……。よし分かった。それでいこう。」
「ありがとうございます。」
そうしてこれからの方針が決まった。
この長い戦争を終わらせるために、今日からまた頑張っていこう。
アルも元気を取り戻せたらいいんだけど……。
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それから1年、大躍進だった。
アトラ達の力は、俺達が思っている以上に影響を及ぼした。
最初の2ヶ月で、アルスと俺の任務が終わり、その後3ヶ月で、マフィーとアルによる鎮圧も終わった。
その後の半年は、敵対勢力の中で一番力を持っていた勢力の鎮圧に励んだ。かなり苦労したが、これも鎮圧することに成功した。
俺達の理想とする世界はもうすぐそこだ。
今日、俺達はビブラー高原に場を設け、全ヒトと魔族を対象に、アトラによる演説が行われる。
「アトラ様。こちらは準備万端です。この戦争に終止符を打つ準備は出来ましたか?」
「あぁ…任せておけ。」
そうして、アトラが壇上に立った。皆の視線がぐっとアトラに集まって行く。
さっきまでガヤガヤしていた会場は、あっという間に静寂に包まれた。
「…皆の者。今日はよく集まってくれた。」
「私はこの世界の英雄、魔族のアトラ・フラットだ。ヒト達による醜い戦争に終止符をうつためにこの場を借りて話させてもらう。」
「まず、今の状況だが、俺達の陣営以外の敵対勢力は、ほとんど鎮圧した。それに加えて、被害は0に抑えている。」
「この事実に基づき、我々はここに、戦争終結を宣言する!!」
「そして、魔族とヒトが分かり合える世界を共に作っていこうではないか!!」
会場は歓声と沈黙に分かれた。
ヒト達は戦争終結を喜んでいる。
魔族は、ヒトと関わることに不安を抱いている。
そんな状況を察したアトラはさらに続ける。
「…。我々魔族は、長年ヒトに避けられ続けてきた。時には酷いこともされ、処刑されたものもいるだろう。」
「だが今この瞬間。ヒトが魔族に助けを求めてきたのだ。これは、我々にとっても悪い話ではあるまい!」
なるほど。
アトラの言い分では、ヒトが魔族に助けを求めたことで、魔族が優位に立てたということにしたのか。しっかりと考えられた言い発言だ。
魔族達は、意味を理解したのか、歓声を上げるものが徐々に増えた。
こうして、全人総力戦争は終結し、魔族との共存する世界が始まった。
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その1週間後。俺達は関係者全員を集めて、会議を開いた。
出席者は、俺、アトラ、アルス、マフィー、アル。
「皆様、改めてご協力ありがとうございました。おかげで世界の平和が保たれています。」
「さて本日の議題なのですが、今後の治安維持のため、この世界を3つに区切るというのはどうでしょうか?」
「……。どういったメリットがあるんだ??」
「まず、それぞれにリーダー的存在を決めます。それに従うヒト、魔族による政治を作るのです。」
「なるほど。それは我々には思いつかない方法だ。ヒトならではと言うべきだな。」
「ありがとうございます。では、これより、この世界を、ソプラノ、アルト、バスと名付け、国としましょう。」
『了解!!』
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魔族との共存、国に分かれた世界は、しばらくの平和が訪れた。
アルディートとアトラの関係や、バス王国の内乱はまた違う話である……。
豆知識
アトラは子供が好き
※休止中も感想は見えますので是非お待ちしております。




