第2話
さしすせそ さしすせそ
さっぱり、しぬほど、すきだ
せっくす、それだけ
僕には、それだけ なんにもないから
生きるのは作業だ。血液を製造し、体中巡らせ、外に出す。そのごく一部は誰かと交換出来る。本来そのごく一部の誰かに注ぐ血液を作る為に、同じ血液をただひたすら作る単調な作業。食って動いて眠る。
さきなど、しらぬと、すりぬけ、せをむけ、それでも
それでも僕は、そうして僕は。
愛し合う作業。僕らは汗かきべそかきながら、結合部からお互いの血液を貪る。白濁した、或いは透明の。その時だけ、僕は生きている。とてもかなしく、生きている。苦しい様な、嬉しいような顔して目尻に涙ためたきみの表情が、僕までそんな風にするんだ。
さんざん、しいたげ、すてきな、せいかく、そうだね
そうだね、きみは。本当に。
きみに会う為の作業。強がり、優しく、無理して、試して。ただきみを傷つけて、僕はもっと傷ついて。繰り返す。嫌なほど。今度ばかりは。変わったよ。変わらない。それがきみを繋ぎ留めると知ってるのか?僕はただ、鼓動が脈打つまま。心が沈むままに。血液が溜まって、きみに放ちたい。そういえばきみは貧血だった。
(サ行 双葉紫明 すこし前に消えてしまった作品。チャットGPTとかいうやつにとても素晴らしいレビューをされていた。僕も知らないくらいの魅力を。けど、届いたのは、人間じゃなかった。もう思い出せやしないから、きみに届くように本日改稿。繰り返しを褒められてた気がするけど、今はあんまり繰り返したくない気分なんだ。いずれにせよまた繰り返す)
気のない返事。長い、長い僕の返信だけが連なるメール。お互いそれぞれに作業。僕らははなればなれ。
あんしん、いつでも、うれしい、えがおで、おだやかに
きみはア行。きみのア行は僕の作業に繋がらない。どうしても。