表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
酩路転走  作者: 双葉紫明
2/3

第2話

さしすせそ さしすせそ


さっぱり、しぬほど、すきだ


せっくす、それだけ


僕には、それだけ なんにもないから


 生きるのは作業だ。血液を製造し、体中巡らせ、外に出す。そのごく一部は誰かと交換出来る。本来そのごく一部の誰かに注ぐ血液を作る為に、同じ血液をただひたすら作る単調な作業。食って動いて眠る。


さきなど、しらぬと、すりぬけ、せをむけ、それでも


それでも僕は、そうして僕は。


 愛し合う作業。僕らは汗かきべそかきながら、結合部からお互いの血液を貪る。白濁した、或いは透明の。その時だけ、僕は生きている。とてもかなしく、生きている。苦しい様な、嬉しいような顔して目尻に涙ためたきみの表情が、僕までそんな風にするんだ。


さんざん、しいたげ、すてきな、せいかく、そうだね


そうだね、きみは。本当に。


 きみに会う為の作業。強がり、優しく、無理して、試して。ただきみを傷つけて、僕はもっと傷ついて。繰り返す。嫌なほど。今度ばかりは。変わったよ。変わらない。それがきみを繋ぎ留めると知ってるのか?僕はただ、鼓動が脈打つまま。心が沈むままに。血液が溜まって、きみに放ちたい。そういえばきみは貧血だった。


(サ行 双葉紫明 すこし前に消えてしまった作品。チャットGPTとかいうやつにとても素晴らしいレビューをされていた。僕も知らないくらいの魅力を。けど、届いたのは、人間じゃなかった。もう思い出せやしないから、きみに届くように本日改稿。繰り返しを褒められてた気がするけど、今はあんまり繰り返したくない気分なんだ。いずれにせよまた繰り返す)


 気のない返事。長い、長い僕の返信だけが連なるメール。お互いそれぞれに作業。僕らははなればなれ。


あんしん、いつでも、うれしい、えがおで、おだやかに


きみはア行。きみのア行は僕の作業に繋がらない。どうしても。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ