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ど、どうしてこんな展開に?

 アレックスは、わたしをベンチまで運ぶとその上におろしてくれた。


 それから、片膝を折ってきれいな指でわたしの足をなぞった。


 わたしのペタンコの靴は、長年の使役でボロボロになっている。タイツは、はき古していて毛玉がいっぱいついている。


 これで靴まで脱がされてしまったら、両親指の先端部分が破けているのを見られてしまう。


 そのときの光景を想像すると、恥ずかしさでいっぱいになった。


「きみの足は、どうやら大丈夫なようだな」

「ですから、大丈夫だと申し上げました」


 恥ずかしさをごまかす為なのか、そんな可愛げのない言葉が口から出ていた。


「きみは意地っ張りだからな。それから、可愛げのないところがある」


 アレックスは、きらめく笑みとともに立ち上がった。


 それから、わたしをジッと見おろす。彼は朝の陽光をバックに光り輝きすぎていて、目を開けていられない。


「とにかく、ケガがなくてよかった。今朝は遅かったかい? まぁ、こうしてきみとの朝のひとときをすごす為に待っているのも楽しいけれどね」


 にこやかに言われ、またしても衝撃を受けた。


(なんですって? いま、わたしと朝のひとときをすごすって言ったの? どうし彼がわたしがこの近道を使っているということを知っているの? というか、いまのだとわたしたちは毎朝このバラ園で会っているということ?)


「今朝は、執務室にバラを飾りたくてね。そうだ。きみも持って帰るといい。荷物になるかもしれないが、持って帰ってきみの部屋に飾るといい。ドライフラワーにしても最高だろう」


 彼は、そう言うなりズボンの後ろポケットから花ばさみを取り出した。それから、ベンチで呆然としているわたしのことなどお構いなしにバラの咲き誇る花壇へと向かった。


「ナオ、きみはどのバラがいい?」


 アレックスは、鼻歌まじりにバラを見まわしている。


「あの、殿下? どうしてでしょうか? わたしを待っていたり、バラを持って帰れとは?」


 こんな待遇、王子であるアレックスからされるいわれはない。


「当然じゃないか」


 彼は、体ごとこちらに向き直った。


「きみはおれ専属の侍女というだけではく、この王宮になくてはならないレディだ。もっとも、個人的にはきみは侍女としてでなく親友というか話友達というか、とにかく、きみはおれの側にいてくれるレディだか。だから、お礼というほどではないけれど、きみになにかしたいんだ」

「はい?」


 彼の返答は、わたしにはよく理解出来なかった。


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