関わった人に終わりが来るのか、終わりが近い人に引き寄せられるのか
この街へ来てから、自分がひどい顔をしていると、つくづく思った。
周りはみんな可愛い子、自分を魅せるのが上手な子ばかり。
私はどんな服を着たらいいのかわからないし、どんな顔をしていいのかもわからない。
人と関わりたくない。でも反面、明るいお店で友達と大きな声で笑ってみたかった。
仕事が見つかる前は、白鷺さんのご飯を食べて、手伝いをちょっとして、眠くなったら昼寝して、
夜になったらお風呂に入り、今日も何もしなかったと鳥籠に話しかけて1日を終えた。
思い出すのはうまくいかなかったことばかり。
時々、人間関係の失敗を後悔しながら、映画を早送りで観た。
無表情で、でも映画の登場人物のキャラ設定を自分もマネようとしていた。
そうやって、「自分」が戻ってくるのを待っていた。
どうして自分が笑ったり、泣いたり、怒ったりできないのか、
黒い蛇のせいなのか、理由を探していた。
面接があると聞いて、ようやく髪を切り、
図書館へゆっくり歩いて行って、自分に足りない知識のような本を借り、
いつも見かけるけど、入ったことのない喫茶店で珈琲を飲んだ。
この人には、ずっと元気で笑っていてほしい、
そう思った瞬間から、相手の終わりが始まるのか、
最初からその人が終わりに向かう電車に乗っていて、
そこへ自分も乗り合わせたのか。
終わりを看取るために呼ばれるのは「ミトリ様」のせい?
偶然? ただの思い込み?
答えを知りたい、でも知るためには、人と関わらなくてはいけない。
誰かの終わりを看取らなくてはいけない。