いざ!キャラメイク!
連続投稿3話目
『まぁ、いいでしょう。次はキャラメイクのお時間です』
「待ってました!」
俺がウィンドウを操作するためにマルティーさんの近くにいたが、マルティーさんは俺の後ろを指していた。
振り向くとそこにはウィンドウが……
「ってお前!おちょくってんだろ!ていうか何回振り向けばいいんだよ!」
『ほら、さっさと終わらせなさい』
なんだか釈然としないが、ここで不満を口にしていても埒が明かない。
俺はまたも駆け足でウィンドウへ向かった。
『そう、それでいいのです』
〈BPを10取得しました〉
「いやね?もらえるものはもらっとくけどそれでいいのか上位AI…」
『大丈夫です。やつらに殺られるほどやわくはありません。すでに私達はバックアップを取っていますから』
思わぬところで運営とAIの力関係がわかってしまった……運営…ツヨクイキロ……
俺は心の中で運営に合掌した。
〈キャラメイクを開始します〉
〈どれかを選んでください〉
〈簡易orカスタムorそのまま〉
これは勿論カスタムだな。きっと簡易の方はパーツが少ないんだろう。
そうしてカスタムの方に触れると…
粘土みたいなものが目の前に出現した。
「え?」
『この粘土はあなたがイメージした姿、形、色をとります。しかし、あなたが選んだ種族から逸脱した姿かたちにはなりません。これもβテスターの方々のご要望です』
「もしかして秋○優人みたいに身長2メートルくらいに出来るのか!?」
期待に満ちた目をしていると、マルティーが
『いいえ、最終的に現実から5センチ以上差があるキャラメイクは出来ません』
「くそぅ……ゲームくらい長身にさせてくれよぅ…」
身長が変わらないんならキャラメイクに価値はない。
俺はカスタムではなく、そのままを選んだ。
そして、目の前に現れたのは肩にかかるほど長い黒髪、パッチリとした黒目に、透き通った肌。誰がどう見ても美少女だと思うであろう子が目の前に立っていた。
『自画自賛…と言おうとしたのですが、確かに可愛いですね』
「だろう?俺があいつに出来る唯一の復讐方法だからな。手入れ、けっこう大変なんだぞ?」
『はいはい。これでキャラメイクは完了です。それではサイバー・ライフ・オンラインの世界を楽しんでください。服は適当に選んだものを渡してあげます』
そう言ってマルティーさんはリモコンを取り出した。……リモコン?
そして俺の後ろから音…そう、なにかが開いた音がした。
恐る恐る振り向くとそこには……青空が広がっていた。
あ、展開が読めたぞ。
『それでは最後に憐れな私に蹴り飛ばされてください』
そう言われて大人しくしているとでも思ったのかと、言おうと思ったのだが、体が動かない。
『すきる【最適行動】はつどう。【しゅーと】』
そうして俺はマルティーに蹴り飛ばされたのだった。
「こんのクソガキがああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
【しゅーと】
お姉ちゃん達が作ったチル専用スキル。
ボールに一切のダメージを与えず、蹴りの威力を全て飛距離へと変える。