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けっしてまずいわけではない、ただ美味しくないだけだ

はい、お久しぶりです。かなり投稿期間が空きましたが今後は活動再開して…いくわけではありません。詳しい事情は活動報告の方に載せます。一応今年はあと2話、そして元旦に1話投稿する予定です。

「くくく、それでお前は何であんな、くくっ、変な真似してたんだよ」


急にそんなことを言ってきたISAMI。

くそっ、思い出し笑いすんじゃねーよ全く…でも、俺も少し混乱していたし、状況整理として話しておくのもいいかもな。……絶対笑われるだろうけど。


「えーと、話すと長くなるんだが…」


俺は蜂との決着、田中との出会い、そして突如発生した鬼畜クエストについてほぼ全て(カッコ悪かった所以外)を話した。


「あっはっは!そりゃ災難だったな!あー、腹いてぇ。」


まぁ、笑われるよね。俺も逆の立場だったらそうするし。それはそうとして、とりあえずお前にも糸電話アタックしてやろうか?

俺は無言で手甲を向けた。


「おっと、それは勘弁してもらおうか。つーかお前それ割とトラウマレベルの殺り方だぞ」

「知るか。俺の苦労を笑ったお前が悪い!」


どうやら俺の話から何をしようとしているのかを予測したらしい。相変わらず鋭い奴だ。


「で、だよISAMI君。俺は今借金(強制)を背負っていてね、装備はおろか薬草の一本も買えないんだよ」

「ほんほん、ほええ(それで)?」


こ、こいつ焼き鳥買って食ってやがる!羨ましいなぁ!


「俺たち親友だろ?」

「悪友の間違いじゃね?」

「し・ん・ゆ・うだろう。だからさぁ、親友のよしみで焼きと、いや装備を買ってもらえないかなぁ?」


あとできれば焼き鳥も、ね?

俺は姉さん仕込みの上目遣いを発動した。姉さんはこの技で小学生の頃に地域のありとあらゆる老若男女を籠絡したんだ…いやかなりやばい技だな。


「おう、この食べかけの焼き鳥(塩)ならタダでくれてやるよ」

「お前の食べかけなんざ誰が食うか!しかも塩かよ!」


そこはせめてタレに…って違う違う。論点はそこじゃない。


「まぁ、食ってみろって。結構うまいぞ。」


そう言うとISAMIは俺に焼き鳥を差し出してきた。食べかけではないが塩だ。


「…まぁいいけど」


俺は差し出された焼き鳥にそのままかぶりついた。


「…味がしない‥」


鶏肉の味は全くしない上にゴムを少し柔らかくしたような食感。なんの肉だコレ?逆に気になるんだけど。


「お前なぁ、自分で持って食えよ」

「お前こそなんであんなのを勧めた!めちゃめちゃまずいんだけど!飯テロこれで2回目だぞ!」


まだあのときのことは許してないんだからな!いつか絶対仕返ししてやる!


「ふっくくく、あん時は、くくっ、悪かったって」

「思い出し笑いすんな!」


脇腹を叩こうとするも身を捻って回避されてしまう。

くそっ、もうちょっと身長が高ければ…!


「もういい!もっとレベル上げて次は殴ってやる!」

「は?やれるもんならやってみ、っておい!そっちは…」


そう言うなり俺は町の外へ走り出した。向かうのはここから一番近い南門だ。


「ええと、ここが左でその次が右、2番目の角を右に…面倒くさいな!」


マップとにらめっこしながら走るのが面倒なり、一度足を止め、あたりを見渡す。


「……あそこが丁度いいな。【射出】、そんで【収納】」


おなじみの手甲で建物の上に乗る。


「これで直線距離だ。待ってろモンスター!」


そして俺は再び南門へ走り出した。


◆◇◆◇◆◇◆


「あいつ行っちまった…レベル上げすんなら南は論外なんだけどな。少しイジりすぎたか」

はたから見るとイケメンが幼女に美味しくない焼き鳥をあーんし、怒った幼女が突然走り出したという感じです。イケメン最低だな!

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