世界の敵の私だが

ある女が転生し、こちらに来てから十二世紀程後の世界。
国は別れ、それぞれの文化を築き、七体の悪魔が統べる【摩天楼】の攻略に勤しんでいた。
比較的平和だったその世界である事件を発端に、平和は崩れ去っていった。
国が滅び、国が生まれ、また新たな国が滅ぶ。そのような悪循環の中、突然現れた国が世界を変えた。



「強く、気高く、美しく。弱きものにはその手を、強きものにはその剣を。我らは世界の抑止力とならん」


この声が聞こえれば逃げなければならない。
そのメイド長から逃げ果せることなど出来ないが。

数人？ 小隊？ 軍隊？
それでは足りない、あのメイド長を止めるには。

最強の剣？ 最強の魔法？
それでは弱い、あのメイド長を倒すには。

天に拳を突き上げて、大地に足をめり込ませ、
敵を見据えて名乗りを上げる。

「お初にお目にかかります。私はレヴィ、嫉妬の悪魔レヴィにございます」