第2話 「地球・現実世界にて」
「せんぱーい! どこにいったんですか!」
俺はあれから探し回った。公園中を何回も何回も。でも、結局見つからなかった。急に消えてしまったみたいに、俺の目の前から消えた。まるで・・・・・・
まるで・・・・・・【消失事件】のように。
それに気づいた瞬間に、俺は無気力になった。さっきは、いかにも興味なさげかのように振舞っていたが、実際はかなり調べていた。先輩が言っていたネットの書き込みも、当然把握していた。
【消失事件】は、初めの頃、急に人が行方不明になって1年くらい経ってから元気な姿のまま帰ってくるという、ライトノベルの設定にあるような内容だった。実際に、行方不明になった人が書いた本がベストセラーになっていたりする。
でも、近年の【消失事件】は、「身体の一部が急に消える」だったり、「行方不明になってもう5年経っている」ことがほとんどである。身体の一部が消えることは、そのまま死につながることだったりするので、ニュースにはなっていない。
振られてもいないのに、もう会うことができないのかと思うと、何もかもがどうでもよくなって、気づいたら家についていた。
ショックすぎたのか、さっきからすごく頭が痛い。もう寝よう。これは悪い夢だ。明日になったら元通りになってるさ・・・・・・
俺は意識を失うように、眠りに落ちた。
今回はかなり短いです。すみません。仕様です。