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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

歩道。

作者: hihumi

 歩道に、女の子が独りいる。


 「どこへも行けない」と、その女の子が呟いた。


 すると、歩道のマンホールが回転した。


 「下へは降りたくない」と、女の子はまた呟いた。


 すると、死んだカラスが落ちてきた。


 「もっと下へ落ちればいいのに」と、女の子は人間と話すようにカラスに言った。「マンホールの下へ落ちればいいのに」。


 死んだカラスは、起き上がり、さらに死のうとした。けれども、カラスの思いは叶わなかった。


 「考えが甘いのよ、あんた」と、女の子はそう言おうとして、それはさっき母親に言われたことだと気付いた。


 女の子は、母親から離れるために、歩き出した。


 もっともっとずっと母親から離れるまで歩き続けた。

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