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さわわん―その3―

地元佐和山界隈において一躍時の人となったさわわん(勘兵衛)と左近でありましたが、そんなある日のこと。

さわわん(勘兵衛):「さっ!左近殿!!」

左近:「どうした勘兵衛。そんな血相を変えて。」

さわわん(勘兵衛):「これをご覧になられましたか?」

……と勘兵衛が左近に差し出したのが。

左近:「太田牛一殿の信長公記ではないか。それがいったいなんだ?」

さわわん(勘兵衛):「その中に……我々のことが書かれておりまして。」

左近:「信長様が亡くなられたところで終わっているハズなのだが……。」

さわわん(勘兵衛):「その辺りのことは忘れることにしまして……。」

左近:「で。太田殿は我々のことをどのように記しておるのだ……。」

とページを捲っていきましたところ。そこに書かれていた見出しはどのようなものであったのか?と言いますと……。


【ぬいぐるみを着て表舞台に戻ってきた男の夢】

【渡辺勘兵衛その半生】

【いま『道化』で天下統一へ】


と言う見出しと共に記事が掲載され、内容は

『上司(三成)失脚の現実を受け入れることが出来ず。暴走したかつてのエリートの転落人生』

を伝えるスタンス。


続いて発行された小瀬甫庵の『太閤記』の中にも


【戦場の星 人生流転】

【領民のため『道化役』プライドは心の中に……】


とネガティブな記事が掲載されていた……。

以後、さわわん(勘兵衛)と左近に対し落ちぶれた姿を嘲る野次を投げつけられるようになった。

思い悩む左近と勘兵衛。

そんなある日。次の出番を前に腹ごしらえのため入った佐和山領内の蕎麦屋において

「さわわん楽しかったね。」

と感想を語り合う親子の会話を耳にする勘兵衛と左近。

(俺たちのやってきたことは間違っていたわけではなかったんだ……。)

と迷いを吹っ切った左近と勘兵衛。

以後二人は領民に楽しんでもらえるようパフォーマンスに磨きを掛け、佐和山領内で広く愛されるキャラクターに成功していくのでありました。


そんな彼らの様子を眺めていたのが……。

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