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運命

ここで宇立は結果的に特殊能力として備わることとなった

『未来を予言することが出来る。』

を用い、石田三成(宇立挙)の生き残り策を考えるのでありました。


挙(三成):(関ヶ原の、その場だけを生き残るだけでは駄目であるのだから……。)

(理想的なのは……徳川の天下が続く限り全ての罪を不問とする。

……のお墨付きを得た黒田長政。)

(……ただそうなったのは……。)

(……関ヶ原の戦いにおいて家康勝利に導く切っ掛けとなった小早川秀秋の裏切りと、

吉川広家を騙して毛利輝元を大坂城から退去させる調略を彼が行ったからであって。)

(……その敗れた側に居るオレが黒田長政になることは……。)

(……現実的なことではない。)


挙(三成):(幕末まで滞りなく……。)

(となれば……前田家も対象となるのではあるが。)

(……そもそも私との石高が違い過ぎる上。)

(秀頼命の立場上。疑われてもいない段階で……。)

(……人質を家康に送り届けるのも、なんかおかしい……。)


挙(三成):(もっとも……。)

(仮に私がほかの誰かをパージする形で家康の勝利に貢献したとしても……。)

(豊臣あっての私。でありますので……。)

(その場では良い待遇を受けたとしても……。)

(待っているのは……福島正則と同じ末路……。)


挙(三成):(……豊臣家と徳川家康との力関係が……。)

(……名実ともに家康主導に傾かせなければ良い……。)

(かと言って……。)

(現状。豊臣家中の……。)

(特に武断派と称されているモノの大半が……。)

(家康を実質の上司とみなしている……。)

(彼らからすれば秀頼成人までの後見人と思っているのかもしれないが……。)

(亡き太閤秀吉が為したことを家康が行わないとは限らない……。)

(現に家康は15年前に後継者から外された信雄を使い、秀吉と相対した実績がある……。)

(幸い豊臣家の後継者となり得る存在となるのが秀頼独りなのではあるが……。)


挙(三成):(担ぎ出す神輿が無い。)

(……と言うことは。)

(……家康に天下を与える大義名分を作らさなければ良い。)

(つまり……。)

(私・三成が兵を挙げなければ良い。)

(……と言うことになるのだな。)

(いづれ家康の寿命も尽きることになる。)

(今は家康のため一枚岩となっている家臣たちではあるが。)

(家康を失った後も一枚岩であり続けることは……。)

(太閤秀吉亡きあとの豊臣恩顧の諸将の動静同様。)

(……まずあり得ることではない。)

(しかも家康には。)

(幸か不幸か後継者となり得る資格を有する実の息子が複数存在している。)

(秀忠が後継者となってはおるが……。)

(秀忠より年長の秀康も居れば。)

(秀忠の下には忠吉も居る……。)

(皆、家康の実の息子。)

(担ぎ出す神輿が複数存在する中。)

(徳川の家臣全てが秀忠に集まることになるのか?と言われれば……。)

(……まずあり得ることではない。)


挙(三成):(その頃には秀頼も元服していることにもなるのであるから……。)

(家康と言う上司を失った福島らも。)

(秀頼のために働くことになる……。)

(一方、徳川は重臣同士の主導権争いに翻弄されることになる……。)

(……そうすれば……。)

(太閤秀吉も為し得なかった徳川家への介入も容易となり。)

(豊臣の天下が継続することとなる……。)


挙(三成):(……そうか。)

(……私が兵を挙げなければ良いのか……。)

(……そうすれば……。)

(オレが動くと思って会津に向かった家康が。)

(小山で立ち往生し……。)

(自らが描いたシナリオとは言え、

秀頼の命令である以上。上杉との戦いに突入することとなる。)

(……どちらが勝とうが天下の趨勢に影響は無い。)

(そうか。そうか……。)

(家康の寿命が尽きるその時まで。)

(……動かなければ良いのか……。)


挙(三成):(そうなって来ると……。)

(あいつらの待遇を見直さなければならないな……。)

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