目指しまして
海戌です。またかきあげたのでとうこうします。
私がこの世界に生まれて1年半が経った。そのおかげか、たどたどしい言葉とヨチヨチ歩きなら問題ないような年齢になり、離乳食などもはじまった。
私は自分の特製魔術が使えるかをためしたことがあった。そのときわかったことだが、この世界で魔術を使いできることはとても少ない。自分自身の世界を改変することと、基礎的な物理干渉しか使えなかった。この世界のマナは、とても薄く、霊力も殆どなく、この世界で異能が発展しなかった理由の一端が窺い知れた。
私は、この世界で、生きることは決まっている。ならば、魔術と相反する科学、それは将来魔術と融合できるかもしれない、機械工学を学んでいこうと思う。
私はこのつまらない世界で、魔術を機械で再現することを目指し邁進しようと思う。
第一段階としてこの世界のありとあらゆる情報を集めようと思う。僕の特性魔術は確率操作である。そのため、私が、この世界の情報全てを知った確率を強制的に100%にすることにより、結果と事象をの因果が決定する。それにより、起こりゆる可能性世界へと世界が改変する。その結果私は、この世界の始まりから終わりを知ることができる。
「−術式構築−−−想定結果を予想−−術式を一章から五十章に分割−演算開始−−−−−−術式展開−我ハ、コノ世ノ始マリ、ソシテ終ワリヲ見タ−」
頭が割れそうだ、目眩に立ち眩み、しばらく動けそうにない。術式をこんだけ分割してもやはり全てを知るには足りないか、
「検索開始−−−検索結果とそれに関する情報以外全て削除−−章から五十章をさらに千分割−」
ようやく痛みがましになってきた。そう言えばこの世界が異能に対して劣悪な環境だということを忘れていた。しかし、これで私は好奇心を満たすことができるのか。
「イル〜どこに行ったのー家の中でも危ないよ〜」
母上のことを忘れていた。仕方がない。獲得した知識の読み込みや研究をしようかね。
母上に寝室のベットに移された私は、昼寝をするように言われた。
この時間を私は、どのようなことにも使えるが、万が一母上が見にくるかもしれないので、自己の精神世界に潜ることにしよう。精神世界での出来事は肉体には勿論のこと反映されないが、技術面や施行したことは反映される。何より、私という世界を改変することは、容易いことだ。そして私は心を無にし、精神世界に潜った。
「さて、取り敢えずは、時間の引き伸ばしをやらなくてはいけないな。昼寝時間は確か三十分だったはずだ。」
私は体感時間を操作し、時間の引き延ばしをするための、自己暗示を唱えた。
「術式構築−−−想定結果を予測−−演算開始−−−−我ワ世界デアリ、時ヲ刳ル−」
精神世界そのものの時間が引き延ばされ内と外では五万七千六百倍も流れる時間が違う。此処での百年は外で30分しかない。
「さぁ研究を始めよう」