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産まれまして

初めまして海狗です。今後とも宜しくお願いします。

私の名前は、イルだ。本名はわからないが、母上と父上がそう呼ぶのだ。私の「今」、住んでいる世界は実につまらない。

あらゆる異能がお伽話になってしまっている。しかし私は、世界には不思議な力を持つものが存在する事を知っている。

それは、超能力であったり、気という生物の肉体から生成されるエネルギーを使うモノや反対に生物の精神、いわゆる魂魄から生成されるエネルギーである。悪魔ならば、魔力。人だと、霊力、妖怪では妖力。神は神力である。

人が俗にいう魔力とは魔なる法則の力のことである。これは、大気に満ちるマナを霊力で操り、外側から物理法則に干渉するのが、精霊魔術。マナを体内にある細胞の一つ一つに取り込み内側から世界を改変するのが、特性魔術である。しかしながら、このような不可思議なものは今世には介在していない。


その為「今」などという言い回しをしたのだ。しかし、前世の自我が今の私であるというわけでわない。私の持つ特性魔術により、魂魄が経験した全ての生と死を私は経験した。

経験の中で私は、わたくしはワタシは、俺はオレは、我は、儂は、余は、朕は、吾輩は、小生は、

畜生であった。男であった。女であった。若くして死んだ。長寿であった。弱者であった強者であつた。殺人鬼であった。殺された。

刀鍛冶に八百屋に魚屋に金貸しに陰陽師やイタコに魔術師に。怪物である魔王や勇者に聖人神や悪魔に不老不死など、果ては世界そのものになった。

あらゆるモノ経験したと思われる私は、自分自身が世界を幾つも内包していると勘違いしてしまいそうになった。

その為、「私」は「ワタシ」でもあり、私でもあるのだ。だが、私と「ワタシ」は違うが、魂魄は同一であるため、同一存在でもある。であるから、可能性世界の私と考えることもできる。なので、私という存在は、あらゆる可能性を経験したが故にありとあらゆることを完璧にこなすことができる。まあ今は考え込んでしまって、母上のことを忘れてしまっていたののだか。



「ねぇ〜イル母さんのことキライ?どーして、お乳飲んでくれないの〜お願い‼︎」


我が母は、泣きそうな顔で理解できないはずの私に、懇願している。どういう理由か、凛々しい見た目とは裏腹に、おっとりしている。まぁ私自身も何かを食べないと死んでしまうと思うし、母上が可哀想なので乳を飲むことにした。

それ、これを飲めばいいのかな?母上が外方を向いているのでそのまま乳房から乳を吸ったら驚いたような顔をして安心した雰囲気をあたりに醸し出した。


「よかった〜母さんのことキライなのかと思ったよー男の子だからかなー何か思うことでもあった〜」


母上の言葉に私は心臓を鷲掴みされたようだった。おっとりしたような喋り方なのに案外鋭いのかもしれない。そういえば、今の私は、男であるらしい。魂の歴史を思い出した私には男でも女でも関係ないかもしれないが。


「ただいま!帰ったよスゥー」


「あら〜ロイなのーおかえり〜」


この両親は私という子供が関わらない限りお互いのことを名前で呼ぶらしい。唯父上の容姿が如何しても10歳くらいにしか見えない。だからか、この2人が並んでいても親子か姉弟にしかみえない。


「イル父さんは、自分の利益しか考えない役員を説得しなくてはいけないから大変だったんだよね」


父上は私を抱えながらそう言うが、確か父上が一世代でつくった会社の理事長であるみたいだから関係ないと思うんだが。


「ん〜でもロイー貴方にとって〜その位の揉め事なんて〜愚痴るまでもない些事じゃない〜」


母上が言うように父上にとって愚痴るほどのことではなく、話をする上でのきっかけとして利用したのだと私は思う。


「まあね。でも僕としては、ここまで大きな会社になるとは思わなかったよ!初めは趣味を同じくするものが集まり、つくった会社だったから」


父上が言うことはもっともだが、私の唯一知らない事がある、科学の機械工学について研究している父上は尊敬している。母上もなんだかんだ言っても、直感でなんでも正解を導くので尊敬している。

科学というもののあり方はつい最近知った。この世界の自然科学などの異能が手を加えない状況での現象はこの世界と同じであるため、物理法則に干渉したり、世界を改変する魔術師であったワタシはそれらについて研究していたので、この世界の誰よりも知っていると自負できる。しかし、この世界にある、機械というものは必要なかったのでしらないのだ。

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