九嬰の護神 1
「……着いたね」
目の前を見ると、巨大な扉が少しずつ開け放たれている途中だった。
ギギギギギ……と音を立ててゆっくりと開いていく。
九嬰の護神は全部で三体。一匹ずつ襲って来る仕組みになっている。ただ、これはステータスが高くて勝てるようには作られていない。部屋ごとに属性を無効化したり、回復が使用不可能だったりするのだ。おまけにボス達のHP、防御力は途轍もなく高く設定してある。弱点属性も無い。
死ぬことはないだろうが、負けることも有り得るのだ。そうなれば現実への帰還方法が消えてしまうことになる。
「みんな、行こうか。サクさんには鈴が着いて。じゃぁ、あとは前もって話した通り。頑張ろう」
今や扉は完全に開け放たれている。まるで私達をおびき出しているかのようだ。
私達は各々愛用の武器を構えて中にゆっくりと入る。
最後のサクラが部屋の中に入り終わると、扉はガチャンっと音を立てて閉まった。どうやら逃げることは不可能のようだ。するとピサロが叫ぶ。
「おい……カリン、見ろよ。ゲームとは違う。何で、何でボスが三体もいるんだよ!おかしいだろ!あいつら、俺らを殺す気満々だぜ!?」
目の前を見ると、第一の護神、ー「風神・ヒュラヌイ」
そして此処にいてはならないはずの第二の護神、-「水神・アニョラヌ」
中央には最悪の存在、最終神、-「水風神・アルサス」
その三体がまるで待ち構えていたかのように陣を構えていた。
「うわぁ……でも転移魔法も此処は使えないし……やるっきゃない!」
そう言って私は早速魔法を構築し始めたのであった。




