動き出した歯車
「ルミドール……いや、探求の神よ。頑張ってくれたまえよ」
ここは白い部屋。大きくもなく小さくもなく。ゆらゆらりと浮かんでいるよう。
その中に邪神がいた。ルミドール、いや、元ルミドールにそう話しかける。
「はい。具体的には何をすればいいのでしょうか」
探求の神と呼ばれたそれは、邪神に質問する。
「うーん。神と言ってもさぁ、特にやることないんだよ。簡単に言うと、しばらくの間はここにいても大丈夫ってわけ。だから待っていてもいいと思うよ」
邪神はボソッと言葉を継ぎ足した。
「僕達が表舞台に出るのは、そう遠くないと思うよ」
そう言ってカリンを見つめるのであった。
「邪神を!?あいつ、気まぐれじゃん」
「まぁ、確かにそうだけどさ」
ここ、魔王城では帰還方法会議室と呼ばれる臨時の会議が開かれていた。
「とりあえず今は、全員の力を上げようよ。最初に挑むクエスト、九嬰の護神だって、今でもクリアできるか分からないんだから」
「じゃぁ、当分の間はそれで決まりだね。レベルが20になったときに挑もう」
ちなみに限定クエストという意味は、このクエストは一度しか挑むことが出来ない……という意味である。このせいで今すぐ挑むことは出来ないのだ。
「……ってかさ、レベルアップってゲームマスター権限ないと無理なんじゃね?」
「いや、大丈夫でしょ。えーっと[キャラ用紙]」
私がそう言うと、キャラクター用紙が宙に浮かぶように出て来た。
「多分なんだけど、これで経験値が上がっていってるのが見えるんだよ。で、上げたい項目を念じれば出来ると思う」
この発見は、敵の基地に籠城した時にきずいたものである。
「じゃぁ、解散で」
帰還方法が少しずつ見つかり始めた。
しかし、あまりにも順調すぎる。何かがおかしい。私はそう思っていた。
「動き出したか」
「はい。あれを探し始めたようです」
「何としても阻止しろ。別世界への行き来は我らの夢だ」
「はい」
ここは黒い部屋。
二人の男はニタリと笑った。
「まずは九嬰の護神だ。奴らをこちらにつけ、同時に襲い掛からせてやる」
そう言ってその男は席を立って何処かに消えて行った。




