信じるもの
(う……)
カリンはゆっくりと起き上がる。
横にはスミレがいた。
「魔王様!大丈夫ですか!!」
「あ……」
「魔王様は約一ヶ月間、気を失っていました」
「い、一ヶ月!?」
一ヶ月なんてアニメでしか聞いたことが……いや、本当にあったんだったか。
「それよりも……ルミドールは?」
「………」
スミレはうつむき、首を横に振る。
「そん……な……」
力ない声がする。
「……襲撃の犯人は?」
「……不明です」
「………」
死んでしまった。確実に自分の責任である。
彼女は満足だと言っていたが、真実ではないだろう。
「魔王様。しばらくの間お休み下さい。魔力も最低値まで落ちておられますし」
「……そういう訳にもいけない。せめて供養を……」
「魔王様!魔王様の城が襲撃されました。配下も一人なくなりました。何でこんな部屋に連れてきているかは理由があります!このまま魔王様までがお倒れになったら、民はどうするのですか!!貴方にかかっているのです!」
「……分かったよ」
確かにスミレの言う通りだ。
魔王が倒れましたなんて、普通に特ダネに乗るような大事件じゃないか。
ルミドールは死んで行った。神のせいで。神が殺しに来た。殺すなら今の私を殺せばいい。それをしない理由は、私の精神をボロボロにして、発狂させて、何かに利用するためだろう。でも、そんなことをさせはしない。
「……ピサロを呼んできてくれる?」
「はい」
そう言うとスミレは部屋から出て行く。
探さなければならない。帰還の方法を。
このままでは今度は鈴達に神は攻めに行くだろう。
ならばこちらから打って出るべきだ。
「カリン、大丈夫か!l」
「大丈夫大丈夫。それよりもしばらくしたら……鈴達に言いに行って。魔王城に拠点を置いてくれ……って」




