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襲撃

(クソ、何が起こったんだ!?)


ピサロは走りながら焦っていた。また勇者とやらの襲撃か。ルミドール一人では数秒で殺されてしまうであろう。急がねば……

階段を一段飛ばしで翔け、ルミドールがいるはずの部屋へと倒れるように入る。


「大丈夫かルミドール!今きたから………え」


その部屋は赤い血で埋め尽くされていた。割れた窓の近くにルミドールが転がっていた。いや、倒れている……という表現が正しいだろう。


「ルミドール!ルミドール!しっかりしろ!しっかりしろ!おい!おい!」


大きな声で呼ぶが、返事がない。


(クソ!カリンがいれば……)


こうなれば今からでもカリンか、同じ回復魔法が使えるスミレをよんでくるしかない。部屋を出ようとしたその時、今度は下から悲鳴が上がった。あれはスミレの声だろう。近くの部屋からはリルファイの叫び声も聞こえる。


「なにが……何が起こってるんだ!?まさか……」


こんなに短時間に襲撃を行えるとすれば……神だけだろう。

せめて全員が同じ場所に集まればいいのだが……そう考えているとルミドールのことを思い出した。そういえばマジックバックにポーションが数個入っていることを思い出し、一途の望みをかけてルミドールにかける。効果発動エフェクトが作動しているのでまだギリギリ生きてはいるようである。ここにおいていくと神がきた時に、一切防衛手段を持たないルミドールは数秒で殺されてしまうだろう。じれったい気持ちを抑えて、その場で待機をすることにする。今の状況は最悪だ。城中全体にバラバラに不規則に現れる敵。対してこちらは神に比べてしまうとかなりステータスが違う者ばかり。カリンやスミレ、そして自分を除けばかなりの人数が襲撃を受けた時に死んでしまうだろう。


(くっそぅ……拡声魔法みたいなのがあればなぁ)


そう思っていると、また下から悲鳴が聞こえる。


「カリン……頼む、皆を守ってくれ……」


今は願うことしか出来ないのだ。


「俺は……何にも出来ねぇ!!!!!!」


その言葉は誰にも聞かれることはなかった。

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