戦闘終了
「あんたら……あの魔法を……どう、やって……」
もう魔法を使う気力もなさそうなルミドールはフラフラしながらも言葉を紡ぐ。
「まぁ、いいじゃん、魔法みたいなもんだよ」
そう軽くピサロが言うとこちらに目線を向けてくる。
「あんな魔法なんて聞いたこともない……」
まぁ、そりゃあそうだろう。というか、GM権限じゃ結局は意味なかったんだけど」ね……
「カリン、他のみんなもきたぞ。オーイ鈴ー、俺の黒魔術によってこの世界は守られ……」
「「オイっ」」
何かもう……命の危険があったのにもかかわらず、厨二君ことナトは相変わらずである。はぁ……なんで私の友達は全員こんなんなんだろ。
「あーカリン、その……女の子は?」
鈴に言われたので見てみると、ルミドールは倒れている。さっきすんごい頭の打ち方したからね。ゴンって。ゴンって言って頭打つ人初めてだよ……
「あー……この人、犯人。OK?」
そう言うと高速のパンチが飛んできた。
それを紙一重でかわす。
「ちょっ、鈴!?危ない!ストレートはやめ……ぶお!」
「いいかたがきにくわん、もう1発」
またまたブンッという音を立てて拳が顔面めがけてやってくる。
鈴って神官のはずなのに……恐ろしい。
ところでこのルミドールをどうするかが問題だ。
TRPGのことを聞かれていても面倒なことになる。
しかしさすが神官というべきか、すぐに彼女へと近寄って回復を行っている。
「【初級回復魔法】」
するとルミドールは目を開ける。
「オイ……鈴、何で魔法の使い方を……?」
そうナトが言うと、鈴はこう言った。
「いやぁ、よくわからないけど何かきずいたらやり方を覚えていて……」
え……まさか……嫌な予感しかしないのだが、この世界にきたら前の世界の記憶が少しずつなくなり、代わりにこの世界の情報が入ってきたりするのだろうか。
あり得ないことはないよな…そう考えているとルミドールが立ち上がった。
「わ、わわわわわ」
魔法で負けたので殺される……とでも思っているのだろうか。いや、この恐れ方は単なる恐怖だけではないように感じる。
すると鈴がこう聞く。
「どうしたの?」
ナイス!その質問ナイス!
すると静かに、こう言い出した。
「あ、あなたたちのステータス……わわわ」
なにがあったのか。聞くと彼女はこう言った。
「レベルも……ランクも……スキルも!?段違いにすごい!」
そういったのだ。




