勝率
「この世界にあの方々以外の神はいない。ぜった……」
「この世界ならね。ならば、他の異世界から呼び出してやろうじゃないか。古来から日本の神々は、信仰をした者の前に現れてくださると言う。とくとご覧あれ!」
とか格好つけていたものの、まだあの要素は完全には作り終わってなかったはず。
……まぁ、何とかなるよね?
「ならばそれをみしてみて」
「分かったよ。ならば……」
カンナギの魔法はあまりにも強力なものが多いため、技能LVが高い私でも呪文詠唱をしなければならない。詠唱無視も意味をなさないのだ。
「……炎よ、怒りくるえ。雷よ、降り注げ……出でよ、火雷神!」
私がそう言った瞬間、凄まじい魔力が体の中から出て行き、荒れ狂うように集合して行った。それは七の首を持ち、中心部に大きな頭がある巨大な生物のようなものになった。それが容赦なく優香へと向かって行く。
「……っく!」
流石に神の奇跡を人が受けるのは難しそうだ。
私の方も一発で30%くらいの体内魔力が減ったので、あまり乱用は出来ないが。
「はぁ………転移!」
しかしあちらも勇者。即席の魔方陣を作り、ワープをして攻撃を避けた。
それと同時にこちらの効果時間も切れ、またお互いに睨み合う。
「ふぅ、ふぅ……何を!?あのオーラは確実に神……しかしあんな神は……」
「決めつけるってことだよ。あんなやつはいない。だから大丈夫……だなんて考えていたようではまだまだだよ」
これが最もだ。だって……ねぇ。いかなる時でも最悪のパチィーンを考えて行動をするのが基本だしねぇ。
「でも、あと二回はあの大技を使用できる。スミレ!」
「はい!」
スミレはずっと用意してあった巨大魔方陣に魔力を込めて、勇者でも簡単にはワープ出来ないようにサンクチュアリを作る。
「そりゃ正面からの勝負なら勝ちっこないかもしれないけどね。ここは私の作った世界なんだよ。創始者に対する勝ちはもともとないんだよ」
「そんなこと……」
「周りをよく見なよ。君、さっきの間に囲まれてたんだよ?」
周りを見るといつのまにかやってきていたルミドール。その横にはリルファイ。横にはピサロ。その横には鈴達。そしてスミレに私。
「……これでも君に勝機はあるのかい?」




