対抗手段
「弱いね。そんなんじゃ倒せないよ」
……一つ思ったのだが、勇者ってこんなに性格悪くて大丈夫なのだろうか。
しかし今の技は私とルミドールの魔法技術の結晶……というわけでもないが、魔法を二人で開発した中でもかなりの威力とスピードを誇っている。それがやすやすと避けられ、切られ、防がれてしまった。
「……ま、まぁこれが本気じゃないからね」
自分で言ってもなんだが、明らかに動揺してるよなこれ。
そんなことを言っているとピサロが前に出た。
「どいてろカリン!アクアセイバー!」
このスキルは私が水の加護を貰った時に同時に授けられたスキルである。剣に淡い水色のエフェクトが輝く。
「遅いよ」
「ピサロ!行くな!!」
私がそう言った時にはもうすべてが遅かった。
キィィィんとつばぜり合いが起こったのはほんの一瞬。次の瞬間にピサロは吹き飛ばされていた。
「ぐ……ぐはぁぁぁ」
「ピサロ!……キュアー!」
とりあえず回復呪文を応急処置としてピサロにかける。
「スミレ、ピサロを守って。私があいつをどうにか止める!」
「戦士系技能には魔法使い技能は相性が悪いです!私が壁となりますから……」
「お願い」
「………危なくなったら言ってくださいね……」
強く願うとあちらから引いてくれた。
先程からずっと思っていたのだが、優香はあまりあちらからは攻めてこない。
魔法使いと戦士系技能の対決ではほぼ確実にこちらが負けてしまうだろう。
しかしここは優香が作った世界ではない。確実に彼女が知らないことがある。誰にも知らせていなかったヴァージョンアップ。その中に一つ。新しい技能があった。
その名を……カンナギと言った。
「勇者優香よ。お前に神の奇跡を見せてやろう。あの六人の神でも邪神でもない神の奇跡を」




