戦闘
「魔王様、ここはお任せを……」
そう言って前に進み出たのは同じく剣を持ったスミレ。優雅な振る舞いは変わらないが、闘気と殺気がチラチラと垣間見える。
「魔王様の名の元に、敵対者である勇者を倒します。……あなた、魔王様の知り合いなのでしょう?せめてもの報いとして、殺さないでおきます」
「そんなことを言えるのも……今の内だけ」
そう言い放つと二人とも少し下がり間を取る。
しかし、その刹那。目にも留まらぬ速さで二人は近ずき、剣を振るう。
互いに魔法で出来た剣なのだろう。少しだけ輝きが見える。
ガキィィィィィィンと、不協和音が発生する。
何が起こっているのかは全く見えない。
「……多人数でかかってきても構わないよ」
剣のつばぜり合いが終わり、少し両者に間ができた時、優香がそう言う。
こちらとしては損害は出したくないのでその案に乗る。
「よし、とりあえずスミレは下がって……今度は防御壁のピサロ、頼む!スミレはスキル、「精密射撃」で援護射撃を、私は常時回復補助魔法をかけるから!」
そう言うと少しだけ悲しそうにスミレは後ろに下がって魔法詠唱の準備をする。
「光よ、我が敵を貫いておくれ、早く速く疾く」
そういや気が付いていなかったが詠唱無視を持っていない人達は呪文をいちいち詠唱しなければいけないのだ。結構大変である。
「いけ!ライトボール!」
スミレがそう言った瞬間、手のひらから眩い光が溢れ出て、優香へと向かって行った。
「ふ、なまくらだな」
しかし優香はあり得ない動きでその光を断ち切ったのであった。
「……うっわぁ、……いけ!ライトスパークダブルス!」
私がそういうと、今度はもっと激しい輝きが二つ優香へと向かって行った。
同時に起こる爆発。倒したか……そう思った時だった。煙の中から人影が見えた。
「もっときてもいいよ」




