魔王領公共サービス
城下町を探索し終えた私は執務室(もはや書類の山)で、新たなる公共サービスを模索しているところである。
「タクシーはゴーレムの姿を変えて作るかぁー。問題はこの電車と飛行船だよなぁー。かかる経費も大きいだろうし…」
少し前はCなどという金の単位もなかったので楽だったのだが、今ではもうあれが流通していて当たり前になっている。
勿論この私が頼み込めば無料で行って貰えるのだろうが、そういうわけにもいかない。さっすが魔王様……的な感じにしなくてはならないのだ。
「手の空いているもの……手の空いている者は都合良くいない……か?いや、1人いたな」
そう納得して頷き、アストラルドラゴンであるリルファイが暇を持て余しているはずの待機室へと向かう。彼ならやってのけてくれるだろうから……
「ひ、飛行船でしょうか……空を飛ぶとなると……いや、いけますな。あれを使えば……十分に見込みはありますな」
「さっきから言っているアレとは何?」
「あぁ、魔王様は知りませんでしたか。魔導閣です。魔導閣とは魔力を使用者が好きな分だけ溜められて、それを好きな効果にして使えるというものです。貴重ですが最近ちょこちょこと発掘されておりますので、まずは3機くらいなら作れるのではないでしょうか。次にこの箱型の多人数同時乗車可能……というのはですね、コクンブースターというのを使えばエネルギー源になります。コクンブースターとは、野生に存在するコクンの殻のことです。何かしらの衝撃を与えると、その殻の大きさに比例して置いてある場所により、その方向へと物を打ち出す仕組みになっております。元は殻の中にある種を出すためのものなのですが、おっと、気ずけばこのような遅い時間に……この話はまた明日しましょう、さようなら」
そう言って扉の先まで送ってくれるリルファイにたいしておもったことがある。
結構リルファイって、物知りなんだな……




