悲しみ
「タコッチィーヌ!死なないで!」
鈴の悲痛な叫びが辺りに広がる。
「残念ながらそれは無理。今から私がこいつを殺すから」
「すまないみんな……カリンによろしく言ってくれ」
「クソ!フラッシュボルト!」
ナトの即席の魔法が炸裂するが、たいしてダメージをおわせられていないようだ。
もうダメだ……そう思った時、その女が横に吹き飛ばされた。
驚いてそこをみると、とてつもなく怒り狂った邪神の姿があった。
「……カリンの友達をよくも殺そうとしてくれたね、お前ら!!」
邪神が誰もいないはずの天空に向かって叫ぶ。
「じ、邪神……なんで?まぁいいや、あいつは何なの!?」
鈴が叫ぶと邪神はこう言う。
「悲しいことを聞くことになるけど、いい?」
「……はい」
そう頷くと、邪神の方へと向き直る。
「よし、これでしばらくあいつは動けない……では話そう。あいつは君達の親友「
優香」だ。神々によって強制召喚させられ、君たちとの記憶は全て消されている。
要するにあいつは、神の尖兵ってわけさ」
「え……!?ゆ、優香!?」
一緒にTRPGをした「親友」それが今、強大な敵となって目の前に現れている。
「そうさ。あれは優香。厳密に言うと優香ではない優香ダネ。もうこの際ネタバレしちゃうけど、あっちの世界実は、君たちのせいで結構大変な事になっちゃってるんだ」
「それはどういう……」
「はっきり言おう。今あちらの世界ではこちらとの共同の特異点が生まれてしまった。それが君達だ。そしてそのせいで次元の壁が崩れ……モンスター達が跋扈する世界になりかけてしまっているんだ」




