魔王城2
「フゥ……カリンはやっと行ったかぁー……あいつ暇人だからなぁ」
魔王城第三階バルコニーで、ピサロは1人で黄昏ていた。
夕陽が沈み始めると、少しずつ街にはカリンが出した照明担当の騎士たちが歩き始める。
下を見れば花を摘んでいる狼族の子供がいた。
「おかーさーん、みてーおはなーおはなー」
「こ、こらダメよっそこは魔王様のお庭!早くでなさい!ほら!」
「いーーーーやーーーーだーーー」
別に花を摘んでも問題はないので、ここで一声かける。
「どうも、ピサロです」
「ぴ、ぴ、ぴ、ぴ、ぴ、ピサロ様!すみません!どうか、どうかこの子だけは!」
「あぁ……大丈夫ですよ。お嬢ちゃん、お名前なんていうの?」
「わたし?わたしはねぇ、ユウウ。ゆうってよんでね」
「うん。ゆうちゃん」
するとユウウは高い城を見上げる。
「おにーちゃんはここにすんでるの?」
「こ、こら、ピサロ様に何を言ってるの!」
母親が叱る。
「いや、いいんですよ。そうだよ。ここに住んでるよ」
「いいなぁー私もなかにはいりたーい」
「こら!す、すみませんすみませんすみません!」
そこでピサロはふと考える。
「……ゆうちゃん。明日ここに、入ってみる?」
「え!?いいの!?いいの!?」
「うん。いつでも遊びにおいで。待ってるからねー」
「うん!!」
そこまで終わったところで、母親がこう言ってきた。
「ほ、本当にいいんですか?城などという場所を…」
「いいですよ。良かったら奥さんもいかがですか?」
「いいんですか!?有難うございます‼」
そんな会話があり、二人が帰った後もピサロはバルコニーで1人夕陽を眺めていた。
「フー……全く、書類が多いですね……これはここに、これは……」
カリンが新しく創り出した人物、「スミレ」は、作業室でテキパキと要件をまとめていた。なんせ今は国民の意欲と忠誠心が限りなく上がっていて、その分沢山の書類が送られてくるのだ。現在は魔王カリンの事案を最優先にしている。
「まずは民間的な郵便システム……あとは巨大ショッピングマート、あとは……」
ここに書かれていることは全て、この後の国の発展に大きく繋がるものであった。
「さて……魔王様は今頃、戦っておられるでしょうか…私も後で行ってみましょう」
そう言うと、またすぐに目元の書類に目を移すのだった。




