あれ!?美味しい?
「「「「「「「「「頂きます‼」」」」」」」」」
そう大きな声で頂きますと言い、一口目を食べる。まずはこの鳥肉だ。
食べた瞬間に熱々の肉汁が溢れんばかりににじみ出る。そのまま噛むとジュワッとした感触が広がる。とても柔らかくて、少し噛んだだけで溶けてしまう。
…………なにこれ美味しい!?
その横のサラダ、オマケのスープ、あと追加したパンもすぐに食べ尽くしてしまった。……あぁ、忘れない、忘れるはずがない。あの宿泊研修の食事の不味さを…
ってか、何でこんな無駄な事だけ覚えているんだろう…
「アルトさんこれ美味しいね!」
「本当ですか‼これ、私が作ったんです‼」
「うんうん、美味いよこれ、なーカリン」
「……宿泊研修、あの牛丼、もはやご飯じゃない…」
「カリンどうしたーーーーー!」
そんなこんなでご飯も終わり、個別個別に部屋に入り、休むことになった。
本日は本当に沢山の事がありましたなぁ。
チルル、チルルルル
鳥が窓のすぐ横に来て、鳴いている。
起きて背伸びをすると、この世界が現実だという事をしっかりと確かめた。
窓を開けてやると、綺麗な朝日が飛び込んで来て、鳥も中に入ってきた。
「ん?どうしたの?」
聞こえないはずだがそう言ってみた。すると鳥は外へと飛んで行った。
……さて、今日は2人の指導、気合を入れて頑張らないといけない。
ドアを開けて外に出て、一階の食堂に降りる。すると今は丁度、アルトと店の主人が準備をしているところだった。
「手伝いましょうか?」
そう私が言うと、主人は優しくこう言った。
「いやぁ、気持ちだけにしておくよ」
「分かりました、じゃぁ…ここ、座らせてもらいますね」
「おう、まぁ休んで行ってくれ」
「はい」
昨日確認したのだが、今日は私たち以外は誰も泊まっていないようだ。
「…あのぉカリンさん」
「ん?どうしましたアルトさん」
「いやぁ……何でもないんですけど、カリンさんって…幸せですか?」
「ん…?」
幸せ…考えていなかった。鈴は幸せと言っていた。
幸せ…とは何だろう。
「うーん…幸せ…じゃないかもだけど、充実しているよ」
「……そうなんですか、私実はドワーフとエルフのハーフでして…両親共に熱狂的な宗教者に[裏切り者!]というネームを付けられて、殺されたんです…」
「え…!?」
「あなた達が優しそうだから言うんですけど、私、とても辛くて…こっそり隠れて、此処の主人にも匿ってもらってるんです…」
ドワーフとエルフのハーフはお互い背が高いと低い種族の合成体なので、あまり普通の人間と違いが出ない、なのでばれないのであろう。
「冒険者さんって、自由ですよね…いつか私も旅に出たいんですなので……」
そうか、だから私に行ったのだ。
「私にも講習を受けさせて下さい!」
アルト出て来たから次は…!?




