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てんさいルール覚える!

ピピッピピッ。

目覚まし時計の音が部屋に響きわたる。

「…あと5時間…」

ピピッピピッ。

「…4時間」

ピピッピピッ。

「…んじゃ1時間」

ピピッピピッ。

「…」

ピピッピピッ。

「…」

ピピッピピッ。

「うるせぇんだよ!」

目覚まし時計に会心の一撃をかます。

ピピッピピッ。

「…」

ピピッピピッ。

「…痛ってぇ」

目覚まし時計に勝てるはずもなく赤くなった手をさすりながら洗面所に向かう。

「うわ…痛々しい…」

昨日、靴があたった鼻頭が赤くなっている。

「はぁ…帰宅部ねぇ…今日サボろうかな…」

そんなことをぶつくさ言いながら顔を洗い洗面所をあとにする。

部屋に戻って着替えた後、鼻に絆創膏を貼って部屋を出る。

その後台所に向かい冷蔵庫からコーラを1本取って玄関に向かう。

うちは両親が2人共海外に仕事で行っているからこれが日常的に続く。

健康に悪いと思いながらなかなかやめられない。

依存っていうやつ?

「いってきまーす」

誰もいない家に声をかけて家を出る。

そして、シュワっと音をたてコーラを開け飲もうとしたとき

「遅い!」

「ん?ごふっ!」

何かが後頭部にぶつかりコーラが勢いよく喉に流れこんでくる。

「がはっ!ゴホッゴホッ!」

「ちょっ大丈夫⁉︎」

「ゴホッ!…大丈夫な訳あるか!」

「ほっ…良かった〜」

「良くねぇよ‼︎」

口元をぬぐいながら目の前で立ってる奴を睨む。

「良かったじゃん。コーラ一気に飲めたんだから」

「お前な…」

こいつは東根 ちひろ。

幼馴染だ。

「んで…なんか用?学級委員さんは忙しいんじゃないの?」

「いや、これがしたかっただけだけど…」

「…」

無言で中指を立てる。

そして掴まれる。

「えっ…痛だだだだ!折るのはなしだって‼︎

聞いてる⁉︎痛だだだだ‼︎」



「あ〜痛って〜」

どんだけケガすればいいんだろオレ。

「ふふーん」

ケガをさせた張本人は鼻歌を歌っている。

「はぁ…保健室行こうかな…」

「えっ!どっか悪いの⁉︎大丈夫⁉︎」

「…」

親指を立ててしたに向ける。

そして掴まれ…

「あっぶねぇ!また、ケガするとこだった…」

「チッ!んでさーあんた最上センパイと付き合ってんの?」

「は?なにそれ?てかだれ?」

「えっ!…ホントに?」

「ホントに」

「ふぅ…良かった…」

「ん?」

「いや!なんでもない‼︎んじゃ学級日誌書かなくちゃいけないから!またね!」

そのままちひろはスキップしながら遠ざかっていく。

「…へんな日だな」



教室に入るとしょうやがニヤニヤとこっちを見て笑っている。

「朝から女子連れで登校か?」

「うるせぇよ幼馴染だよ」

「へぇー」

「…なんだよ」

「別にー」

「てかお前宿題やったの?」

「あっやってねぇ。見せて」

「やだ」

「えー」



なんだかんだで放課後。

「あー終わったー!」

「よし!部活行こうぜ!」

「悪い帰るわ」

「おい!ほら行くぞ!」


「失礼しまーす」

「おっ来たか」

「おー!マイダー…」

「静かにしてください」

「むー!」

部室を見わたすとオレたちの他にも何人か1年生がいた。

そして、その中に…。

「なんでちひろがいるんだよ…」

「ちひろ?あぁおまえの許嫁か」

「んなわけあるか!いつの時代だよ⁉︎」

うわ…すげーこっち見てるよ。

しかも、顔赤いし…絶対怒ってるよ…明日まで生きてられるかな…オレ…。

あのときのメガネの先輩が前に出てくる。

「よーし。全員そろったかー?んじゃ、これから帰宅部部活動ミーティングを始める。

まずは自己紹介から、部長」

「おっ!ついにあたしの出番か!

えっへん!あたしがこの帰宅部の部長の最上 よしのだ‼︎」

「…」

「むっ!信じてないでしょ⁉︎ホントに部長なんだよ‼︎」

「はいはいありがとうございました。次は副部長の僕、高畠 みずきだ」

「相変わらずかたいなー」

部室のドアがあいてヘアバンドをした男子生徒が入ってくる。

「よっ!1年生諸君‼︎」

「はぁ…こいつは天童 よしはるだ。みんななめてかかっていいぞ」

「ちょっ!俺がカッコよくあいさつったんだからやめてくださいよ⁉︎」

「まず、そのしゃべりかたをやめろ」

「これは個性っす!」

「ちょっ!2人共やめてくださいよ!1年生がみてるでしょ!」

「チッ!まぁきももが言うならやめます」

「…プッ」

「ちょっとなんなんすか⁉︎」

「え〜と。帰宅部マネージャーの棚橋 きももです。よろしくね」

あんときの巨乳の先輩か。

「良かったなたかのり」

「なんだよ急に」

「またまた〜」

「まぁ帰宅部はこんな感じのメンツで活動している。んじゃ、次にルールについて説明する」

「ルール…ですか?」

しょうやが問いかける。

「あぁこの帰宅部は帰宅という競技をするから帰宅部という。この帰宅のルールはいたって簡単だ。[どんな手を使ってでも帰ること]

これがルールだ。まぁ、他にも細かいルールがあって主なのが制服で参加することだ」

「なんで制服なんですか?」

しょうやが手を上げて質問する。

「帰宅というのはもともと、家に帰ることから派生したスポーツだ。だから、制服での参加が義務ずけられている。あとの詳しいところはマネージャー頼む」

「はい。えー帰宅は主に団体戦になり全員が一斉にスタートしてゴールした順にポイントが入ります。そして、その合計点数で勝敗がけっします。そして、スタート地点を学校。

ゴール地点を(いえ)と呼びます。そして、もっとも重要なルールがどんな手を使ってでも帰ることです。このどんな手を使ってでもというのはそのままの意味です。自転車でもよし。徒歩でも、車や飛行機も…というように帰る為には手段を選ぶなということです」

「よし。全員わかったな。てことで、これから全員に帰宅してもらう。制服に着替えて昇降口に集まれ」

帰宅のルール

1 どんな手を使ってでも帰ること

2 制服で参加すること(その他の衣服で参加した場合失格とする)

3 公式の試合は団体戦に限る

4 全員一斉にスタートとする

5 ゴールした順にポイントを獲得とする

1位 50ポイント

2位 40ポイント

3位 35ポイント

4位 30ポイント

5位 20ポイント

それ以下は10ポイント共通とする

6 1チーム5人までとする

7 スタート地点を学校(がっこう)とする

8 ゴール地点を(いえ)とする

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