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てんさい入学する!

「押忍!柔道部はどうですか⁉︎」

「バト部はどうですかー⁉︎かわいい女子がいっぱいいますよー!」

ここは明瞭館高等学校。

県内で2番目にでかい高校。

まぁ広い。

おかげで…

「あ〜疲れた〜」

明瞭館高等学校1年3組出席番号20番中山たかのりはへばっていた。

「ほら元気だせよたかのり。ほら!バト部にかわいい女子が!」

「テンションたけーよなしょうやは」

オレが話しているのが鮭川しょうや。

まぁ、席が近いこともあってすぐ友達になったんだけど…

「だって女子だぜ!かわいい女子‼︎」

「はいはい。んで、今回は何日目?」

「なに言ってんの?もう、別れたよ」

そう、こいつはタラシだ…しかもかなりのプロ。

「チッ!リヤ充が…んで、その子紹介してください」

頭を下げる。

そりゃもう、全力で。

「あーゴメン!もう連絡つかないんだよね」

「はぁ…だよね…」

「んで、部活どうすんの?」

「んー?どうしようかなー」

「てかさ、部活多くね?」

「だよねー」

昇降口から校門まで部活勧誘がズラッと並んでいる。

「んで、どうすんの?」

「んーオレは…」

「君たちー!」

「柔道とかは?」

「君たちー!」

「いやー絶対怪我するって」

「君たちー‼︎」

「んじゃやっぱりバト部?」

「おーい!」

「それはお前だろ」

「おーい‼︎」

「んーんじゃ…」

「話聞けコラー!」

「ん?」

「なんだ?」

声がしたので後ろを向くと…小学生がいた。

「…小学生?」

「んだとコラァ!殺んのか⁉︎コラァ‼︎」

うわー迫力ねぇ…。

「なにやってんだたかのり。よく見ろ先輩だ」

「えっ?」

とりあえずオレの襟を掴もうとがんばって伸ばしている手をどかす。

「…」

じっくりと見てみる。

なぜか先輩?は胸をはっている。

「どこが先輩なんだろ…」

「はぁ⁉︎よく見ろ!この胸を‼︎」

「…」

「…」

「すっ…すごいですぬ…」

無理やりウソをつこうとして、語尾が変になってしまった。

「え?本当?」

「はっはい」

「おー!そんなことを言ってくれたのは君が初めてだぞ!」

…でしょうね。

「んで本題に入るけど、君たち帰宅部に入らない?」

「やってんですか先輩⁉︎」

巨乳の女子が走ってくる。

「おっ!かわいい娘発見」

「おい!」

「おー!たなはしー!見ろ!新入部員だ!」

いや、入った覚えないし。

「おー!じゃないですよ!ほら、困ってるじゃないですか!」

「ウソつけ!よく見ろ満面の笑みだぞ!」

「はいはい。帰りますよー」

「はなせ!はなせ!はーなーせー‼︎」

小学生がひきづられていく。

「あたしの初恋なんだー!」

「はいはい。詳しくは部室で聞きますから」

「なんだったんだろうなあれ」

「帰宅部か…」


昔の記憶がよみがえる。

「はぁはぁ…どうだ中山!これで…おまえと互角だ!」

「互角…バカにするなよ。酒田」

「はぁはぁ…どういうことだ…」

「よく見ろ。おまえの自転車のギアは3だ。それに対してオレのギアは…」

「なっ…!1…だと…」

「そうだ。オレはまだ、力を3分の1も出していない。この意味がわかるか?」

「まさか…」

「あぁそうだ。おまえとオレとでは雲泥の差なんだよ」

「くそっ!」

「んじゃな。つまらなかったぜ…」

「俺は…俺は…お前が憎い!そんな、才能があるのに!なんで俺にはないんだよ!」

「1つだけ言わせてもらう。帰宅部やめたほうがいいぞ」

「なっ…」


「おい!たかのり!」

「ん?あっごめん」

しばらくぼーっとしてたみたいだ…。

「どうしたんだよ、あっ!もしかして、あの先輩に惚れたか?」

「いやいや!そんなわけないじゃん!」

「はっはっは!まぁ、お前の恋路を邪魔しないけどさ。それよりも、帰宅部行かね?」

「帰宅部か…悪いオレ帰るは」

「うるせぇよ。ほら、行くぞ」

「ちょっ!話聞いてる⁉︎」

そのまま、ズルズルとひきづられていく。

さっきの小学生みたいだな…。


「たのもーう!」

「いやそれ違うよね」

帰宅部と書かれているドアを開けると中から

靴が飛んでくる。

「ぶはっ!」

「大丈夫かたかのり⁉︎」

「あっ!ごめん!」

「なにしてるんですか先輩⁉︎」

「いや、学校破りだと思って…」

「こんな弱小校に来るわけないでしょ!」

「むー!」

「あの…」

「あっごめんごめん。ささっどうぞどうぞ」

「失礼します…」

オレたちが部室に入るとドアがバタン!と閉められる。

「はっはっは!よく来たな勇者よ!わたしが…」

「はいはい。あっちに行きますよー」

「えっと…」

「ほら、新入部員が困ってんだろ」

部屋の奥からメガネの男子が出てくる。

ん?新入部員?

「いや、オレたちまだ入部したわけでは…」

「気にすんな」

気になるわ。

「あの!俺たち帰宅部に入りたいんですけど!」

「おい!しょうや!」

「なんだよ。お前が紹介しろって言うから…」

「それとこれとは違うだろ!」

「まぁまぁ2人とも。とりあえず、これ書いて」

先輩から紙がわたされる。

「いや…オレは…っておい!」

しょうやが2人分の紙を書いている。

全力で阻止しなければ!

「お願いします」

「はいはーい」

ムリでした…。

「あれ?そっちの彼中学校の部活書いてないけど」

「オレですか?中学校の時はき…」

「き?」

「じゃなくて文化部です!」

「へぇー。てっきり、サッカー部だと思ったよ」

「はははっ…よく言われます…」

「へぇー俺は聞いたことないけどな」

「しっ!」

「よし。これで2人は新入部員だ!」

「ありがとうございます!」

「あ…ありがとう…ございます…」

「んじゃ、部活の説明は明日だからそん時にまた」

「はい!失礼しました!」

そのまま、部室を出る。

「いやー!よかったなたかのり!」

「良くねぇよ!」

「まぁまぁ、今度おごらせてやるから」

「いやおごってくんない⁉︎」



「ふむ…中山たかのりか…」

「おー!あたしの初恋の人だ!」

「その人がどうかしたんですか?」

「いや…どこかで聞いたことがあってな…確か…」

「あれ?あたしの恋バナ無視?」

「まぁ、明日のテストで確かめればいいじゃないですか」

「それもそうだな…」


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