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母の死
少しシリアスな場面が続きますが、
暖かい目で長くみていただけるとうれしいです……。
『ねぇ美琴?』
『なに?ママ。』
『ママが死んでも、美琴がママのこと忘れない限り、
ママは美琴の心の中で生き続けるからね。』
『うん。』
母の手が、優しく私の頬に触れた。
『それともし、悲しかったり寂しいって思ったら、
夜空に広がる星達を見なさい。
ママ、星になって美琴のこと、
ずっと見守ってるから。』
『うん。』
私に微笑む母の頬を、涙が伝った。
『それと、ママの分も幸せになってね。』
『うん……。』
私は自分の頬にある母の手に、
自らの手をそえた。
そして──
『美琴……ママの子として生まれてきてくれて──
──ありがとう……。』
そう言い残して、
母は旅立った──……。
苦しみながら、それでも笑顔で……。
『こちらこそ……
私のママでいてくれて……
ありがとう……。』
私も笑った。
私……うまく、笑えてたかな……?
私の頬に、一粒の涙が伝ったのを、
誰も……知ることは無かった。
読んでいただきありがとうございましたっ!!