報酬
きっちり30分かけて、町到着。
道中、トンキーと八体ほど遭遇したが、全て切り捨て御免してきた。
この世界で、魔物は絶対悪。
絶滅しても、いつの間にか普通に歩いていたりするので、希少な魔物を絶滅させても大丈夫らしい。
どうやら、魔物の種類によるが、一定数減ると世界が新たに魔物を創るとされてるらしい。
らしいらしいだが、この世界の人間も把握しきれてないんだ、俺が知らないのも無理はない。
「こんにちは、ただいまクエストから戻りました」
「おお、お疲れ様だな。早く達成報告を済ませてくるといい」
「ありがとうございます」
町の門を通る際、門の前に立っていた、鎧の門番さんに声をかける。
友好関係を築くのも、この世界で生きていくための一歩だろう。
当分俺は、この町から出るつもりはないし。
門番さんは、挨拶からしていい人そうだ。
門を通ることに金は発生しないので、気軽に出入りできそうだ。
俺は少し人の温もりを感じながら、門をあとにし、ギルドへ向った。
「ほい、ペレス草50草、クエスト達成だ」
「おー、早いですね。どれどれ……はい、50草確かに確認しました、こちらが報酬の1500Gです!」
ギルドへ着き、一直線に受付に向かい、ペレス草の入ったバッグをリエンに渡し、報酬をもらう。
実に無駄のない動きである。
俺は金貨一枚と銀貨五枚をリエンから受け取り、ポケットに突っ込む。
雑な扱いに見えるが、しまうところがないんだ仕方ない。
これで俺の所持金は21500G。
この世界にきてすぐの稼ぎと見れば、上々の出来ではないだろうか。
さて、これからどうしよう。
リエンからバッグを返してもらい、少し考える。
俺が持っているのは、剣とバッグと21500G。
宿をとることはまず決定。
あとは装備を整えることだけか。
宿に泊まれば、食事、風呂、寝床に困ることはない。
となれば、稼ぎのための装備を整えることぐらいしか、俺のすることはなさそうだ。
即断即決即行動。
俺はリエンに、宿屋とその手の物が売っている店の場所を聞く。
「はい、宿屋はこの町にもたくさんありますが、オススメはここから右に二軒隣の『鷹の巣』ですね。部屋もそこそこで、お風呂も広いですし、なによりもご飯が美味しいので! 値段はお風呂と三食込みで、一泊1000Gと少々お高いですが、あたしはオススメです!」「ふむ」
1000Gか。
ぶっちゃけ安いのか高いのかわからん。
しかし、今日の短時間で稼げるぐらいだ、問題ないだろう。
「じゃあ、その宿にしようかな」
「はい、多分部屋はこの季節なら、皆さん帝都に出て行ってるのでたくさん空いてると思いますよ!」 これで宿は決まった。
後は装備か。
「装備のほうは、ここから左の道に少し行くと、道具屋、武器屋、防具屋が並んでいる通りがありますので、そちらを利用してくださいね!」
「ああ、わかった。ありがとう」
健気に説明してくれたリエンに礼を言って、俺は外に出た。
よし、まずは宿だ。
部屋は早くとるに越したことはない、多分。
俺は二軒隣の鷹の巣に、駆け足で向かうのであった……。
アクの装備
・絹の服
・絹のズボン
・皮のサンダル
・鉄の剣
見事な初期装備です、本当にありがとうございました