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戦闘試験と死亡フラグ

どうも、旅するギニャーです。

いや、駄文駄文でしょうがないですねもう。

こんな小説を見てくれるあなたに感謝!

――――『護衛士育成学校』内・演習場前



『レルティ、何で朝あんな起こし方したんだよ…』

頭をさすりながら歩く、十代後半くらいの青年。

格好は黒のジャケットの下に、白のシャツ、黒のズボンに腰で交差させた二つのベルト。

蒼色をした肩に付く程度の長さをした髪に、翡翠の双眸(そうぼう)

凛とした、だがどこかあどけなさを残した顔立ち。

細身だが、よく見れば絞り込まれた筋肉が無駄なく付いている。

「だって、リンが起きないから…」

どうやら青年は、【リン】と言うらしい。

その隣を歩く、リンと同じくらいの歳だろうか、女の子が頬を膨らませて答える。

さらりと伸びて、太股辺りまである淡い金色の髪に、晴れ渡る青空のような蒼の双眸(そうぼう)

可愛らしい、と言うよりは美しい、と言う言葉が似合う。

純白のローブに同じく純白のワンピースを身に纏う、美しい少女。

『だからって、本でぶっ叩くのはやめような』

「うぅ…だから何回も謝ってるじゃないですか……」

一目見れば、二人は仲が良いと言う事が分かる雰囲気。

二人は楽しそうに会話をしつつ、学校内にある演習場へと歩く。

『確か今日は、クラスを決める為の試験があるんだったな…面倒だ』

「クラスはその人の実力に合わせて決まりますからね…」

演習場の入口にたどり着き、二人は顔を見合わせる。

「まあ、私はリンと同じクラスになるようにするので」

『だな。俺達は一緒に居ないと意味ないし』

一見すると愛の告白みたいな感じだが、雰囲気からどうも違うようだ。

二人は演習場へと入って行く。



――――護衛士育成学校内・『演習場』



「えー、まず今日はクラス決めの為の戦闘試験を行う!呼ばれた者から準備をし、試験官と戦闘を行ってもらう!呼ばれるまでは、戦闘を観戦していろ!…では、これより戦闘試験を行う!!」

筋肉質の口許(くちもと)に髭を生やした、若いとも老いているとも言えぬ外見の男。

千…いや、二千は居るであろう生徒達に【戦闘試験】の開始を告げる。

そして、リンとレルティは観戦用の椅子に座っていた。

『レルティ、俺は凄くめんどくさくて仕方がないんだが』

「二度もこの学校に通う事になって面倒でしょうが、耐えてください。その代わり、今日はオムライスにしますから、ね?」

レルティはふわりと微笑み、言い方からしてリンの好物だろうか、オムライスを作ると言う。

『仕方がないな、頑張るとしよう』

「ふふ、さすがはリンですね」

口許に手を添えて微笑むレルティは、近くに座っていた男子に天使と言われていたとかいないとか。

『――――なんか、最近の護衛士候補生は昔の護衛士候補生より弱いな』

何十人かの戦闘を見て終わったリンが、考え込むようにしながら呟いた。

「と言うよりは、リンが居た時代の候補生が異様に強かったんですよ?」

レルティはリンの呟きに苦笑しつつ答える。

『そうなのか?俺から見たら、まだまだだった気がするんだけど』

「リンの理想の強さのハードルが高いんですよ」

『そうかなぁ…』

そんな風に会話を続けていると、

「次、【リン・トーヴ・エイスティルイクト】!!」

初めてリンの名前が全て判明した瞬間であった。

『遂に俺の番か。んじゃ、行って来るわ』

リンは椅子から立ち上がり、レルティに軽く手を振る。

「はい、頑張ってくださいね」

微笑むレルティが、男子たちに天使と呼ばれていたとかいないとか。

リンは、大剣を持ち構える試験官の目の前に立つ。

「……エイスティルイクト、武器はどうした?」

若干怒り気味に、試験官の男はリンに問う。

『ああ、今創りますよ』

「創る?一体何を言って―――『刀剣構築開始』っな!?」

試験官の男の言葉を遮るように、リンは言葉を発した。

『柄部分・魔力(まりょく)(ぎん)。刀身部分・魔力(まりょく)(ひょう)。カラー蒼、属性・氷。凍てつく刃…【氷結(ひょうけつ)一刀(いっとう)】』

リンの(みぎ)(てのひら)に、蒼く輝く淡い光。光が線となり、柄、刀身と形を創っていく。

「お前、その魔術は…!最強と謳われた護衛士【リン・トーヴ・エイスティルイクト】だけが使える魔術じゃないか!?たまたま同姓同名なだけだと思っていたが、まさか…!?」

『何言ってるんですか…俺が、死んだはずのリン・トーヴ・エイスティルイクトな訳ないじゃないですか。それより、早く試験しましょうよ?』

「む…そう、だな。では、戦闘試験を開始する!!」

試験官がそう宣言したと同時に、リンは試験官へと駆けた。

「なっ、早――――ぐあっ!?」

試験官が反応する前に、リンは試験官を剣で一閃。切り裂いた部分が氷結する。

「くっ、せあっ!!」

試験官はすこしのけ反るも、すぐに体制を整えてリンへ接近。そして上から大剣を振り下ろす。

『…遅い』

ギィィイイッン!!

リンは、圧倒的な重量を持つ大剣、しかも勢いと力が乗る振り下ろしを長剣で横に弾くと言う芸当をやってのけた。

「なっ、何故だ…!?」

『動きが遅い、詰めが甘い、勢いが足りない』

試験官への距離を詰めつつ、リンは試験官へと呟く。

「くうッ…!!」

『遅い』

試験官は距離を縮められまいと後ろへ飛ぶが、リンはそれより――――早かった。

「があぁっ!!」

リンの凍てつく刃は、試験官を切り裂いた。

『試験終了、だな』

リンがそう呟いた瞬間、試験官は膝から崩れ落ちた。

リンは右手に握った剣をフッと消し、観戦席へと戻ったのだった。

「リン、危うくバレる所でしたね」

リンが観戦席に戻ると、レルティが声をかける。

『ああ。しかもなんだよ最強って…俺はそんな強くなかったっての』

「いえ、そんな事ありませんよ?リンは今まで語られてきた護衛士の中でも、ズバ抜けて強い」

『んな事言われても…』

リンは困ったように髪を掻く。

「それに【影の強襲】の日、この街を守り抜いたのは貴方の部隊じゃないですか」

『も、もうやめてくれ、なんか恥ずかしい』

「ふふっ、分かりました」

微笑むレルティは、男子たちに天使と呼ばれていた。

「次、ルーフェレーア・ルーンフェクト!!」

『ブフゥッ!!』

【ルーフェレーア・ルーンフェクト】と言う名前を聞いて、急に吹き出すリン。

「どうしたんですか、リン?」

『ちょ、ちょっと待て、アイツが居るってことはさっきの俺の戦いも見られてた…!?やばいやばいやばいやばい!試験官は騙せたけど、アイツは騙せな―――うおああああッ!?』

ものすごく焦り出すリン。リンが焦っていると、何処からか槍が飛んできてリンのすぐ近くの椅子に突き刺さった。

「あははっ、ごっめーん!手が滑っちゃったー!取ってもらってもいいですかー?」

演習場から、観戦席のリンの方を向いて笑う(目が全くもって笑っていない)少女。

長く伸びた紅い髪をポニーテールに、藍色の双眸(そうぼう)

白のコートに蒼色のボディースーツを身に纏う少女。

『ひぃッ!?ぜ、絶対わざとだ…絶対わざとだぁぁぁぁ!!』

なんて叫びつつも、リンは槍を椅子から引き抜き少女へと投げる。

「ありがとー!!……(あ・と・で・こ・い)」

リンに対してルーフェレーアは、ありがとうと叫んだ…後に口パクでリンに何かを伝える。

『うわああああああああああああッ!!!』

それを見たリンは顔を真っ青に染めて絶叫。

「リンあの女の子がどうかしたんですか?」

『あ、あああ、アイツは、アイツは…俺の、部隊の一人【(くれない)槍士(やりし)ルーフェ】だ……』

「ああ、それで…リンの部隊の人なら、いくらごまかしてもリンが【最強(さいきょう)護衛(ごえい)自由士(じゆうし)リン】その人だってバレてるでしょうからね…」

納得したようにうんうん、と頷くレルティ。

『だからやばいんだよ…俺は死んだって事になってたのに急に帰ってきてたんだから…どう考えても怒ってるよアレ』

「それはまあ見れば分かりますね」

レルティが試験中のルーフェレーア、長いので省略してルーフェの方を見る。

「ばかやろぉーーーーーッ!!!!!」

怒りを爆発させたように、槍をブンブンと振り回して試験官をぶっ放す。

『死んだ…俺絶対死んだ…』

「ですねえ」

『ですねえ、じゃねーーー!!』

「ふふふ、自業自得じゃないですか?」

『お前も悪いじゃん!』

「悪くないですよー」

『ああ、どうしよう……』

頭を抱えて死にそうな顔で呟く。

―――――まだまだ戦闘試験は続く……


感想、ご指摘等いつでもお待ちしています。

では、また。

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