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裸でゴメンあそばせ?  作者: 市太郎
裸でゴメンあそばせ?
18/32

18.稼ぐに追い抜く貧乏神

 

 よく言うよね。

 稼ぐに追い抜く貧乏神って。

 始終無言作戦は女豹姐さんによって露となり消えた。

 べ、別に最初っから最後まで無言で通るなんて思ってなかったから!

 イグアナ姐さんが間に入ってくれて、面白そうだから試してみたら? の流れになったんだけど、イグアナ姐さん娯楽が少ないからって人を娯楽として楽しむのはどうかと思うのです。

 そんな訳でイグアナ姐さんの紹介で改めてお客さんとご対面となり、何とかやり通してみせましたよ!

 横着、面倒の極みを見せてやったさ!

 会話は全部単語だったけどね。

 『ん』『それ』『違う』『やり直し』『帰れ』これの繰り返しでいけたよ!

 もう少しまとな会話もしたけど、大体単語語りとジェスチャーでいけてしまった。

 喋るときもゆっくりと話したから今度は噛まなかったし。

 楽勝じゃーんとか思ったりもしたけど、そこはあまり調子に乗らないようにしておかないとね。

 期待の篭った目には溜息をついたりとか、やり遂げた瞬間に合わせてわざと見逃して『やり直し』とか、失敗しちゃったら『帰れ』とかね。

 『帰れ』って言った時のあの涙目にはちょと顔が緩みそうになってしまったけど……癖にならないように気をつけねば。

 駄目出しオンパレードで終わるわけにもいかないので、ご褒美をあげたあとにちょうど時間となってお見送り。

 いい流れだった。いい仕事をしたよ私。

 お客さんもそこそこ満足してくれたのか、チップ十万くれた!

 初仕事、前回噛んだのはカウントしないことにして、今回は初仕事ということもあったし、本来のチップよりかは少なめな方なんだけど、期待しているからと労いの言葉ももらえたし。

 悪くない初回だったんじゃないかな?

 オーナーからは百万ではなく五十万ほどもらえた。

 もうちょっと実施研修をしてから通常の特別手当が出るみたい。

 取り合えず、残金八百円に五十万が増えて嬉しい。

 それから、通常に仕事していたときは毎日数人のお客さんを相手にしいた分、十日に一回とかの間隔に減ったけど手取りは大きいから寧ろチップも入れて余裕でプラス。

 手探りで空気というか流れを読みながらというのも感覚的に掴めてきているような気がするし。

 このオーナー兄が経営する娼館は上級ってランク付けされているせいもあって、オーナー弟の店よりも富裕層の顧客が多いんだよね。

 その富裕層の中でも更に裕福な上の人達……知識階級の人達が、専門なお遊びを楽しんでるらしい。

 お客さんの職業なんて興味ないから聞いたことないけど、それなりに地位の高い人はその分ストレスが溜まりやすいのかなぁと思ってみる今日この頃。

 不思議と裏っぽい人とか荒くれた仕事をしている人は普通に遊んでるんだよね。

 お硬い仕事とか、地位とか責任のあるポジションの人は、そういう傾向にあるよ。なんて噂はデマかもしれないけど日本でだって聞いたことがあるし、世界変われどその辺は変わらないのかなぁってね。

 どのお客さんも大事なんだけど、特に店にとっては特に大事なお客さんの一人が私のお馴染みさんになってくれそうなので気合を入れておりますよ。

 オーナーからお見合いを勧める感じでこの人どうかしらって紹介されたんだけど、何となくいい感じ?

 客と娼婦でありながら、主人と下僕の関係というのはかなりデリケートで、普通のお客さんよりも信頼関係を密接に結ばないといけないと私は思ってる。

 実施研修のときは女豹姉さんの下僕や、イグアナ姐さんが間に入ってくれたお客さんだったからあくまでも練習の域だし、関係を築く段階はすっ飛ばすことができたけど、お馴染みさんになってくれるお客さんはその手間をすっ飛ばすわけにはいかないもんね。

 なので、今はそのお客さんとデートを重ねておりますよ。

 お客さんは店に私を連れ出す費用を払うけど、一回のデートで店からもらえる給料は一万ってとこかな。

 デート費用はお客さん持ちだし一切支払いはしなくていい上に、お店からも給料をもらえるのは嬉しいけれど、プライベートの衣装代は自腹なので結構ぎりぎりなのよね。

 大量生産型の工場なんてあるわけないから衣服は全部オーダーメイドで、庶民は自分で縫ったり古着屋で買ったり、ご近所で裁縫の得意な人に気持ちばかりだけどってお礼を渡してアレンジしてもらったり、作ってもらったりが普通みたい。

 仕立て屋から服を一式買うとなると最低でも五万くらいは掛かっちゃう。

 日本だったらオーダーメイドで五万は安い方だけど、以前の給料を思えば一年に一万の貯金がやっとってとこだったし、とてもじゃないけど簡単に買えるようなモンじゃないのよね。

 デートのたんびに同じ服だなんて、お客さんの主人像を壊すわけにもいかないし、何となく妙なプライドというか、一応それっぽくは見てもらいたいと思ったりもするし。

 なので、折角五十万の給料を貰っても衣装代で横へと流れていく現状はどうにかしたい。

 減りはしないが増えもしない貯金はかなりストレスだ。

 …………気が利かないわねって言ったらプレゼントしてくれないだろうか。


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