【固く絡め合った薬指。浮かんでいたのは、赤い呪縛だった】薬指の赤い呪縛〜月夜の旅枕〜
ある曲を聴いて、自分なりに考えたことを書き出してみました。
月光の差し込む、浜辺のホテル。
情熱的な夜の終わりには、必ず気だるげな朝が待っている。ワンナイトならなおさらだ。
指に跡がつくくらい、固く握りしめた証。
そんな余韻に一人で沈む、静かな女の独白をあげています。
気分転換にいかがですか?
蔑むような月光を浴びながら考えました。
隣で眠る男の顔が、どこまでもあどけなく、白々しいのでした。
それとなく左手を見やりました。
先刻まで固く絡め合った指。
彼の呪縛の跡が私にも擦りつけられてしまったのです。
薬指に浮き上がる赤い一の字が、なぜか霞んで見えました。
遠く海を越えた故郷で、彼の帰りを待つ女。
きっと私よりずっと豊かな温もりと、優しさを持ったひとなのでしょう。
その女の十指は、輝くばかりの魔法の指に違いないのです。
途端に恨めしくなりました。
この男を引き止めることのできない自分が悔しいのです。
ガラス越しに、静まりかえった海を睨みつけました。
どこからか入る潮風に、胸がかきまぜられるような思いをしました。
水平線からやってくるだろう朝を厭いました。
全て意味のないことです。
子供のようなみっともない欲張りだとわかっています。
ーーそれでも、祈りました。
どうか、彼を捕らないでほしいと。
この心が、消えないでほしいと。
特に力を入れたのが、男と女の対比でした。
女は、無意識に幸せを求めながら、どこかそれに値するものが、自分にはないと思い込んでいるのかもしれない。
そんな、掛け違えたボタンのような物語。
楽しんでいただけたら、幸いです。
レビューや、評価をしていただけると、私ごとですが、非常に幸せな気分になれます。
この作品を読んでくださったみなさんに、何かいいことがありますように。




