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【固く絡め合った薬指。浮かんでいたのは、赤い呪縛だった】薬指の赤い呪縛〜月夜の旅枕〜

作者: 雨田紫蓮
掲載日:2026/10/30

ある曲を聴いて、自分なりに考えたことを書き出してみました。

月光の差し込む、浜辺のホテル。

情熱的な夜の終わりには、必ず気だるげな朝が待っている。ワンナイトならなおさらだ。

指に跡がつくくらい、固く握りしめた証。

そんな余韻に一人で沈む、静かな女の独白をあげています。

気分転換にいかがですか?

 蔑(さげす)むような月光を浴びながら考えました。

 隣で眠る男の顔が、どこまでもあどけなく、白々(しらじら)しいのでした。


 それとなく左手を見やりました。

 先刻(さっき)まで固く絡め合った指。

 彼の呪縛の跡が私にも擦(こす)りつけられてしまったのです。

 

 薬指に浮き上がる赤い一の字が、なぜか霞(かす)んで見えました。

 遠く海を越えた故郷で、彼の帰りを待つ女。

 きっと私よりずっと豊かな温もりと、優しさを持ったひとなのでしょう。

 その女の十指(それ)は、輝くばかりの魔法の指に違いないのです。

 

 途端(とたん)に恨めしくなりました。

 この男を引き止めることのできない自分が悔しいのです。

 

 ガラス越しに、静まりかえった海を睨(にら)みつけました。

 どこからか入る潮(しお)風に、胸がかきまぜられるような思いをしました。

 水平線からやってくるだろう朝を厭(いと)いました。

 

 全て意味のないことです。

 子供のようなみっともない欲張(よくば)りだとわかっています。

 ーーそれでも、祈りました。

 どうか、彼を捕(と)らないでほしいと。

 この心(おもい)が、消えないでほしいと。

特に力を入れたのが、男と女の対比でした。

女は、無意識に幸せを求めながら、どこかそれに値するものが、自分にはないと思い込んでいるのかもしれない。

そんな、掛け違えたボタンのような物語。

楽しんでいただけたら、幸いです。

レビューや、評価をしていただけると、私ごとですが、非常に幸せな気分になれます。

この作品を読んでくださったみなさんに、何かいいことがありますように。

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