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私、食べる、そして──。  作者: 御伽ノRe:アル


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71.私─王都錯綜②

「やらせないよ」


「なっ、何者だ!」


「この子の保護者さ!」


「ッ! 時間が無い! 多少の被害は構わん! ヤれ!」


「「はっ!」」


「セリア、私の後ろに。校長先生は壁際まで離れて」


「う、うん!」


「わ、分かった!」


セリアと校長先生の動きを見つつも視線は前を向いていたのが功を成したのだろう。

一気に3人が私達へと凶刃を向けて来たけれども、1人は私の蹴りを鳩尾へと蹴り込み。1人はその手を掴んではもう1人へともつれさせては、そのまま私の短刀を胸元へ軽く潜り込ませては命を奪い。

最後の1人は床に這いつくばっている所を首元へ、手刀を入れては意識を刈り取った。


「ッ! 後は無いんだ! 行け!」


そう、今回の暗殺の隊長だろう人物が声を上げれば残りの暗殺者が隊長も含めて殺到するが、私の敵ではない。


と、言いたい所だったが。

彼らにも後が無いのは確かなのだろう。

バカみたいに【今回に限っては】思考が麻痺していたのだろう。大きな魔法を複数人で重ね掛けては発動して、会場に居る者達を巻き込む形で発現させていた。


「なっ?!」


「馬鹿な?! どういう指示になっている!」


「聞いていたのとは違うぞ!」


会場全体を巻き込むレベルだ。

王家の方も義務から参加もしていた。

その関係者や貴族の方々もだ。

そして、これは予定には無い暗殺者の行動だ。

彼らの思考は私の一時の大罪スキルを用いて思考をだいぶ偏らせていた。

妬み、不満を増幅させては、色欲と強欲を掛け合わせては自尊心を大きく肥大させては思考を曇らせるのは想定通りだった。


「全て、消し飛べ──!」


「させない、よ!」


カッ──と視界が真っ白に、その後は複雑な色合いが視界を埋め尽くすが私には、いや、私たちには関係ない。

大きな爆発音の後には会場が吹き飛んでいたが、参加者全員、私の魔法により被害は護られていた。


「ここには、王家の方々や、貴族様方が居るんだ。【この私がお守りした!】指一本、足りとも狼藉者には触れさせないよ!」


先程の私の倒した3名は既にその身体は炭化しており、その生死はハッキリとしていた。


「その王家、ひいては貴族、そして会場の参加者、関係者を【狙った犯行は国家への反逆罪】だ! その命、無いと思い給え!」


「く、そっ──」

余計な事は言わせない。

これは【私のシナリオ】なのだ。

残った数名の暗殺者は【私のみの手】で全ての犯行の幕引きをさせて貰った。


「王家、ひいては貴族様方を狙った、この狼藉者はこの【アメリアが御守り】した!」


「お、おお。アメリアと申すか」


「はっ!」


「良くやった。【やってくれたな】。この度のそなたの貢献は国が【誠意を持って褒賞を与えよう】。後日、そなたに褒賞の場を与えよう。その際に、その旨を伝えてくれたまえ。我は今回の事件を【確認する必要がある】。すまないが失礼させて貰おう」


「有難きお言葉、感謝致します王様」

そして、私は一番の魅力を発揮させるように綺麗に儀礼を行う。


王家や、貴族の方々がある程度立ち去ったのを確認してから、頭を上げては「セリア、大丈夫かい?」セリアの無事を改めて確認する。


「は、はい…」と、震えてる手を取っては握ってあげると、幾分かは恐怖が取れたのか震えが小さくなったと思う。


「アメリア! 大丈夫!?」


「えっと、これは一帯──」


「話は後でと、言いたいけれども…セリアの卒業証書は受け取れてる?」


「こ、コチラに…」


「うん、なら改めて。卒業おめでとう。今日はこのまま帰ろう。後のことは後で考えよう。さ、ほら帰るよ」


「ウォン!」と、ウルも私たちの後に続いて着いてくる。

その背中は呼び止めるなよというプレッシャーを出していたのは言うまでもない。


そんな、大きな事件には箝口令など敷けるはずも無く。

平民から貴族、果ては王家まで【王立学校の卒業式を狙った国家反逆罪、狙われた王家、貴族、その他関係者救われる、救った者の名はアメリア。綺麗で美しき強き女性。果たして、その褒賞は何?】と世間では囃し立てられるようになるのも当たり前の事だった。

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