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私、食べる、そして──。  作者: 御伽ノRe:アル


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68.表─癒やす。

「アメリア? 大丈夫?!」


「ははっ。大丈夫。大丈夫…」


「ど、どうしたのでしょう?」


「まずはお風呂が良いと思う」


「そ、そうだね! お風呂入ろう! ほら、アメリアも!」

なんだろう? リコちゃんの提案に乗っかる形でまずはお風呂と決まったけれども、アメリアが落ち込んでる感じがする。


ウルも心配そうに身体を寄せてくるけれども、アニマルセラピーの効きも悪いような?


「ほら、アメリア。洗ってあげるからね!」


「ああ〜。いい〜」


「なら、私は背中を」


「私は足裏を…えいっ」


「んっ!」と、足裏マッサージの効果か。

少しだけアメリアが悶えた気がしたけれども、先程の沈んだ表情から、今度はニヤけたようなだらし無い表情になっていた。


まぁ、良いかと、私は思って髪をワシャワシャと泡立てては洗っていく。

アメリアの髪は伸びに伸びて、今は腰くらいまで綺麗に伸びているから、洗うのも一苦労だ。


私達やウルも一緒に泡泡になっては最後に温水を掛けては洗い流せば綺麗になった私達が居て、リコちゃんとセリアちゃんと共同でお風呂に水と熱を魔法で加えていくとあっという間に湯船が出来上がる。

そこにアメリアお手製の入浴剤を投入したら良い匂いが立ちどころに香ってきては、アメリアを湯船に入れては私達も湯船に浸かる。


「ああ〜。癒されるぅ~」


「アメリア、大丈夫?」


「ははは、ごめんね。少し疲れちゃってたみたいでね。大丈夫だよ。癒やされたからね」

そう言っているが、まだ何だか眉が下がり気味で、ちょっと塞ぎ込ん出るような?


「ステラちゃん、セリアちゃん。今日は私達でご飯を作りましょうか」


「あっ! それいいね!」


「ウルちゃんの分も作ってあげますからね」


「ウォン!」と、セリアちゃんの言葉に嬉しそうにウルは返事を返していた。


「良いのかい?」


「はい。日頃のお礼です」


「それにアメリアさん。お疲れなのでしょう? 私達も疲れているから、ご飯食べたら横になりませんか?」


「そうだね。そっか、今日はそれだったら甘えちゃおうかな? ふふ、娘達の手料理か」


「「「娘達?」」」


「あっ。えっと、あ〜…うん。私は皆を家族だと思ってるからね。私からすると君達は娘なんだよ。嫌かい?」


「そ、そんなことは!」


「娘…」


「そうなると私がお姉ちゃんだったり!?」


「え? でも、私達同い年では?」


「ん、でも実際の年齢は私も分からないから、私がお姉ちゃんかも知れない」


「いやいや、胸の大きさ的にも私が!」


「「!?」」


そこから私達の不毛な争いが起こったのは仕方ない事だと思う。

アメリアは笑って見ていたが、でも良い機会だと思って私は軽くだけれども、身の上話をしてしまった。

いや、アメリアとの衝撃的な出会いは胸の内の秘密だ。

あの出会いはアメリアの人生に影響があると私でも分かるから。

旧文明の遺産なんて、今だから分かるけれども国宝級レベルだ。

機械? とアメリアは言っていたけれども。

たまに旧文明の遺産はアーティファクトとして扱われてるけれども、どれもこれも危険な代物と言われている。

そんな中から、アメリアは生まれて? 来たのだ。

アメリアはニコニコと私達の身の上話を聞いていたけれども、自分の身の上話になった時には「実は余り覚えていなくてね」と、少しだけ悲しそうな表情をしていたけれども、長く一緒に居る私にはきっと話せない事情があるんだろうなと察する事は出来た。


「美味しいね。いつの間にこんなに…」


「ふふん! 王立学校の食堂で舌は肥えたからね! 後はアメリアが居ない時に皆でご飯を作っては料理レベルを上げてってたんだよ!」

と、胸を張って言うとアメリアは嬉しそうに「それは本当に素敵だね」とパクパクと沢山食べてくれていた。


「後は私達が片付けておくから、アメリアは先にウルと横になっていて大丈夫だよ!」


「そうかい? なら、ありがとう。少し先に横にならせて貰うね」

そう言って、寝室に先にウルと入っていったアメリアは私達が手早く片付けて寝室に入った時にはスヤスヤと眠りに就いていた。


「何か大変な事があったのかな?」


「どうでしょう…アメリアさんはいつも大変そうですから」


「う~ん、何か納品とかあったのでしょうか?」


「とりあえず、私達も寝よっか?」


「そうですね」


「うん、お休みなさい」


ふと、横を向いたら新調してからずっと綺麗なウルのお布団が見えた。

私達はずっと一緒に大きなお布団で眠っているのを自覚すると、アメリアの【家族】っていう言葉がストンと私の胸の中で落ちた気がした。


「いつもありがとう。アメリア」


そう、呟いた時にはアメリアの表情が一層緩んだ気がしたけれども、気の所為だったかも知れない。

私はそのまま皆に合わせて眠りに落ちるのは直ぐだった。

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