37.私─初めまして。
ボフンッと言う何かが壊れては、噴き出したような音がしたと私は思った。
光源は上から降り注ぐ太陽の光のみだろう。
その降り注ぐ光も天井の崩壊が原因か。
いや、いつから崩壊していたのだろうか。
光源を頼りに周囲を見やると埃や塵が被っては、だいぶ放置された形跡が見られる。
パチパチと目をしばたたかせては私を観察する。
変形は──出来ない。
そして、仄かな温かみ。
私が擬似的に作るわけではない。
人間本来が持つ温かさを感じる。
「ッ──」
ちょっと擦り切れたのか、機材の何かに引っかかったのか指が少し切れたようだ。
赤い血が滴り落ちていた。
痛い? 血? その瞬間に凄い量の情報が私の頭を駆け巡り、そして、涙が溢れてくる。
コレが、痛い。
コレが、血。
熱い。胸も熱い。
「ヒール」
唱えると、傷口が消えていく。
魔法が使えるみたいだ。
「鑑定」
アメリアは名前だ。
種族はいつも不明になっていたが、人間と出ている。
その瞬間にブワッと私の身体中が熱に侵されては尻もちをついてしまった。
私は私を知らなかった。
けれども、今私は私を知ったのだ。
私は人になったのだ。
そうなるとココは何処だ?
周囲は機械が乱雑に見えるようで、規則性が有っては組み立てられている。
鑑定を用いて調べると、どうやら無限のエネルギーを生み出す機械らしい。
但し、頭には旧文明の産物と出ている。
旧文明。
なら、今は新文明だと言う事を示唆しているのだろう。
そして、私の中での記憶や経験、スキルが──そう、この世界の私の7つの大罪スキルとしての暴食として設定されていた、スキルが発現したのだろう。
先程まで呑み込んで処理を一気に初めては、この身では耐えきれなかったのか私は気絶したのだった。
──ああ、なんて素晴らしい。初めまして、世界。




