36.裏─黒い悪夢、世界の崩壊。
その日、世界は噂話が本当だと知った。
とある崩壊した国の噂話で黒い悪夢と言う物があった。
だいぶ、昔の話だ。
その国の王都を黒い悪夢が襲っては大量の死者、または国宝や資金源、素材、何から何まで呑み込んだという噂だ。
今や、御伽噺の類でも有り。
悪い事をすると黒い悪夢が襲ってくるぞ! と、子供を叱りつける時の常套句でもある。
いや、あったはずなんだ。
世界は発展した。
魔法通信で世界は通信環境が整っては遠くでも気軽に通信が可能になっては魔物に関しては間引きをしては、美味しい魔物に関しては飼育しては食料環境の改善を図っていた。
そして、私たちは世界をほとんどを把握しては栄華をこれから歩き始められると誇っていた。
魔力の供給の問題などは古き者。
エルフ、ドワーフ等でカバーをし、力仕事は獣人を使役した。
数とは力なのだ。
私たちはどんどん、自分達の領域を押し広げては、一番のエネルギー源になるであろう。
古龍と呼ばれる存在に目を付けては、これから捕獲に向かおうとしていた時に、それは現れた。
それに触れた者はトプンと呑み込まれては、反応が消えた。
それが通る後は何も残らなかった。
神の裁きだと古い者達が言っていたが、神など居るはずが無い。
それだったら、我々が神なのだ。
魔力は消費するが、我々は新しい世界を創る術を編み出していた。
管理はオートマチックに運営しては、最初こそ投資する魔力は多いだろうが、そこから生み出される魔力が今後は採算が取れると理論値的にも出ていた。
私達は神として降臨しては、新たな世界を管理してはそれをエネルギー源として使用するのだ。
多少、面倒はあるが無限のエネルギーの実用化という面では、理想的な装置だったのだ。
その為にも古龍の存在は魅力的だったのだが、何だコレは。
──こんな話は知らないぞ。
世界は黒い悪夢にどんどん侵されては侵食されては喰われていく。
生命も経験値もスキルも、その全てが喰われていく。
そして、全てが黒く染まった時には世界にヒビが入っては、けたたましい音が何処からともなく鳴り響き、世界は崩壊しては裏返ったのだった。




